2018年12月04日

Q「インフルエンザの予防接種について、年齢制限は・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) インフルエンザの予防接種について、年齢制限はありますか?また、いつ頃からいつ頃までに打つべきでしょうか。早すぎても遅すぎても効果がないのかと思い、いつもどの時期に打つべきか迷っているうちに流行が来てしまいます。

A) 年齢に関して言うと生後6カ月以上の方が対象となりますので、ほとんど年齢制限はないと考えていいと思います。ただ1歳未満の場合はワクチンの有効性が乏しいと言う見解もあり、1歳未満の予防接種は行なっていない病院もあります。打つ時期に関してですが、基本的にはインフルエンザの流行シーズンに入る前にワクチンの効果が発現していたほうが良いと考えます。一般にワクチンの効果が出てくるのに接種後2週間は要すると考えられており、流行シーズンが始まるのは年によって差がありますが12月〜1月くらいですので、インフルエンザの発生状況等をチェックしつつ遅くとも12月上旬には接種を済ませておいたほうが良い様に思います。またワクチンの効果が持続する期間は5〜6カ月ですので、インフルエンザシーズンの終息が3月終わりくらいと考えると、インフルエンザの流行入りが早くなりそうであれば、10月中旬くらいの接種なら十分シーズン期間をカバーできると考えます。結論として流行入りが早そうなら10月中旬、遅くなるとしても12月上旬には接種した方が良いということになります。


(2018年12月4日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2018年11月28日

Q「長年喫煙していた父が、慢性閉塞性肺疾患と診断され在宅酸素療法を・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 長年喫煙していた父が、最近タバコを吸うと咳き込み息苦しさを訴えます。医院では慢性閉塞性肺疾患と診断され、在宅酸素療法を始めた方がいいと言われました。在宅酸素療法の管理や気を付けることを教えてください。

A) 慢性閉塞性肺疾患は喫煙を主因とする慢性呼吸器疾患で、「咳」「痰」「息切れ」といった症状が主ですが、通常は病状の進行に伴って肺の重要な働きである「呼吸による酸素と二酸化炭素の交換」ができなくなってくるため、重症となると自宅で酸素を吸入する「在宅酸素療法」が必要とはなります。ただ第一にすべき治療は「禁煙」であり、それに加えて抗コリン剤・β刺激剤などの「気管支拡張剤」による薬物治療や呼吸リハビリテーション等を行っても病状の改善が得られない場合に適応とするべきと考えられます。
喫煙を継続している状況では薬物治療の効果も十分に期待できないわけですが、質問の内容からすると「治療しながら喫煙を継続していた結果、病状が悪化した」という事かと思います。私自身は「禁煙できていない方は在宅酸素療法をするべきではない」と考えています。一つには治療の意義が問われるということもありますが、自宅で酸素ボンベなどを使用する事は「火災」のリスクになるとも考えられており、火の元の管理には細心の注意を払わねばなりません。まずは禁煙すべきであり、治療方針について主治医の先生とよく相談する事をお勧めします。


(2018年11月28日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2018年11月07日

Q「最近急に咳こむことが度々あります・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 最近急に咳こむことが度々あります。一度咳こむとしばらく止まりません。息苦しさや痰が出るということはなく、突然咳こんでしばらく止まらないだけです。治療は必要でしょうか。

A) 質問の内容だけですとどういう状況で咳こむのかがわかりませんが、原因が何らかの呼吸器疾患であれば治療が必要だと思います。一つの可能性としては「咳ぜんそく」が挙げられます。「咳ぜんそく」は「気道過敏性の亢進」すなわち主に気管支が過敏となることによって生じる呼吸器疾患の一つで、何らかの刺激によって生じる「咳」を主症状とします。咳が出るタイミングとしては「室内から屋外に出た時など気温が変化した時」「台風など気圧の変化がある時」「電話に出たり話をしだした時」など様々です。風邪を引いた時に咳が長くひどく続くというのも特徴です。また「咳ぜんそく」の方は常に症状が続くわけではなく症状が出たり治まったりが通常ですが、およそ3割の確率で「気管支喘息」に移行すると言われています。「咳ぜんそく」と「気管支喘息」は、ともに「気道過敏性の亢進」によって生じる疾患ですが、「気管支喘息」と違って「咳ぜんそく」は気道狭窄が起きないため症状として咳こみに伴って「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」といった「気道狭窄音」が聞かれることはありません。一度呼吸器専門医を受診することをお勧めいたします。


(2018年11月7日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2018年09月06日

Q「父が在宅酸素療法が必要と医師に言われ・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 父が病気療養中なのですが、「在宅酸素療法」が必要と医師に言われたそうです。どのような状態で、どういった治療なのでしょうか。

A) 「在宅酸素療法」は「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」や「肺線維症」「肺結核後遺症」などの慢性呼吸器疾患の病状の進行にともなって、呼吸不全により「低酸素血症」すなわち「酸素不足の状態」になった場合におこなう、自宅で酸素を吸入する治療法です。人間は生きていくのに酸素を必要としており、酸素不足の状況がながく続くと心臓に負担がかかり、他の内臓の働きにも影響がでてきます。従って血液中の酸素濃度が一定の基準をこえて低くなってきた場合に「在宅酸素療法」が必要と判断されます。単に「息苦しい」というだけではこの治療の適応になりません。また「酸素が必要」と言われると「死の間際」と連想される方もおみえになりますが、必ずしもそうではなく「長生きするための治療」とお考えください。自宅に酸素を吸入するためのボンベや酸素濃縮機(空気中の酸素濃度を高めて排出する装置)を設置しますが、通常は薬と同様に健康保険の適応となるため機器使用量の自己負担額を毎月病院に支払うことが必要となります。酸素吸入は24時間常に実施する場合もあれば、動く時のみ使用したり寝ている時のみ使用したりする場合もあり、患者様の病状により医師が判断することになります。


(2018年9月6日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2018年08月29日

Q「80歳の母が最近、食事の際にうまく飲み込めず・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 80歳の母が最近、食事の際にうまく飲み込めず、むせることが増えました。誤嚥で亡くなる話も聞きますのでできるだけ予防したいのですが、なにか方法はありますか。

A) 食べ物をのみこむ動作は、口・舌の動きから顎による咀嚼、そして咽頭・喉頭から食道に食べ物が送りこまれるまで、複数の器官が瞬時に行う反射的協調によって成り立ち、この協調運動には胸や腹の筋肉も関わっています。そしてこの協調運動は加齢とともに衰える事も知られており、結果としてむせる危険性がでてきます。
また誤嚥によっておきる「誤嚥性肺炎」は死に繋がる重篤な病状となる場合もありますが、肺炎自体が完治しても特に高齢者の場合は体力や筋力の回復に時間がかかり誤嚥を繰り返すリスクを高める可能性もあります。脳梗塞など脳血管障害による運動機能障害がある場合はさらにリスクが高まります。
完全に予防するのはなかなか難しいのですが、舌や口を動かす運動や首を動かす運動、発声練習等も誤嚥予防に有効とされています。また誤嚥性肺炎の予防には歯磨きやうがいにより口腔内を清潔に保つ事も重要です。ただあまりむせる回数が多いようであれば医師の診察を受ける事をお勧めいたします。


(2018年8月29日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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