2018年09月06日

Q「父が在宅酸素療法が必要と医師に言われ・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 父が病気療養中なのですが、「在宅酸素療法」が必要と医師に言われたそうです。どのような状態で、どういった治療なのでしょうか。

A) 「在宅酸素療法」は「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」や「肺線維症」「肺結核後遺症」などの慢性呼吸器疾患の病状の進行にともなって、呼吸不全により「低酸素血症」すなわち「酸素不足の状態」になった場合におこなう、自宅で酸素を吸入する治療法です。人間は生きていくのに酸素を必要としており、酸素不足の状況がながく続くと心臓に負担がかかり、他の内臓の働きにも影響がでてきます。従って血液中の酸素濃度が一定の基準をこえて低くなってきた場合に「在宅酸素療法」が必要と判断されます。単に「息苦しい」というだけではこの治療の適応になりません。また「酸素が必要」と言われると「死の間際」と連想される方もおみえになりますが、必ずしもそうではなく「長生きするための治療」とお考えください。自宅に酸素を吸入するためのボンベや酸素濃縮機(空気中の酸素濃度を高めて排出する装置)を設置しますが、通常は薬と同様に健康保険の適応となるため機器使用量の自己負担額を毎月病院に支払うことが必要となります。酸素吸入は24時間常に実施する場合もあれば、動く時のみ使用したり寝ている時のみ使用したりする場合もあり、患者様の病状により医師が判断することになります。


(2018年9月6日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2018年08月29日

Q「80歳の母が最近、食事の際にうまく飲み込めず・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 80歳の母が最近、食事の際にうまく飲み込めず、むせることが増えました。誤嚥で亡くなる話も聞きますのでできるだけ予防したいのですが、なにか方法はありますか。

A) 食べ物をのみこむ動作は、口・舌の動きから顎による咀嚼、そして咽頭・喉頭から食道に食べ物が送りこまれるまで、複数の器官が瞬時に行う反射的協調によって成り立ち、この協調運動には胸や腹の筋肉も関わっています。そしてこの協調運動は加齢とともに衰える事も知られており、結果としてむせる危険性がでてきます。
また誤嚥によっておきる「誤嚥性肺炎」は死に繋がる重篤な病状となる場合もありますが、肺炎自体が完治しても特に高齢者の場合は体力や筋力の回復に時間がかかり誤嚥を繰り返すリスクを高める可能性もあります。脳梗塞など脳血管障害による運動機能障害がある場合はさらにリスクが高まります。
完全に予防するのはなかなか難しいのですが、舌や口を動かす運動や首を動かす運動、発声練習等も誤嚥予防に有効とされています。また誤嚥性肺炎の予防には歯磨きやうがいにより口腔内を清潔に保つ事も重要です。ただあまりむせる回数が多いようであれば医師の診察を受ける事をお勧めいたします。


(2018年8月29日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2018年08月02日

Q「家族から寝ている時のいびきのひどさを指摘され・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 家族から寝ている時のいびきのひどさと時々呼吸が15秒ほど止まっていると指摘され、病院に行くようにと言われました。よく聞く睡眠時無呼吸症候群と思っているのですが、頻繁には通院できないので、予め診断・検査方法、治療法が知りたいです。

A) 「睡眠時無呼吸症候群」は読んで字のごとく睡眠中に呼吸がとまる事により様々な問題がおきる症候群で、肥満などにともなう「閉塞性無呼吸」が一般的であり「いびきがひどい」ということで病院を受診されるかたも多いです。十分な睡眠がとれないため日中の眠気から交通事故のリスクが高まる事が問題視されますが、高血圧などの生活習慣病を合併していることも多く「脳梗塞」や「心筋梗塞」などのリスクにもなります。
治療対象なのかどうか判断するためには、睡眠中の無呼吸の頻度や持続時間を調べる必要があります。そのため検査は一晩かけて行うのですが、簡易式の検査機器を貸し出しして行う方法と、一晩入院して詳細に検査する方法があります。検査の結果治療が必要な場合は、CPAP(陽圧持続呼吸療法)といって、鼻にマスクをつけて機械で圧力をかけ無呼吸にならないようにする治療を行います。通常は無呼吸が治療により解消されているかの確認のため、月に一回は定期的に受診する事が必要になります。簡単に説明すると以上ですが、まずは検査による確定診断をお勧めいたします。


(2018年8月2日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2018年06月13日

Q「最近不安になると過呼吸になり・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 30代、会社員です。最近不安になると過呼吸になります。少し息苦しい程度から立っていられなくなりそうになる時もあります。こういった症状も呼吸器内科でも診てもらえるのでしょうか。

A) 人間は生命活動の維持のために「換気(息を吸ったり吐いたりする事)」をおこなって「酸素」を取り込み「二酸化炭素」を排出していますが、「過呼吸」とは本来必要とされている以上の換気活動を行う事をさし、結果として動脈血中の酸素分圧が上昇し二酸化炭素分圧が低下します。二酸化炭素分圧の低下により血液がアルカリ性に傾き、息苦しさの自覚とともに手足のしびれ・動悸・めまい等の症状が出現します。精神的な不安や極度の緊張から過呼吸となってこのような症状がおきる事を「過換気症候群」といいますが、これは精神的問題に起因する場合も多く呼吸器内科より精神科が妥当な場合もあります。
ただ患者様ご自身が「過換気症候群」と思われていても内科的疾患が隠れている場合もあり、注意が必要です。例えば「動悸」や「息苦しさ」の原因となる「甲状腺機能亢進症」「鉄欠乏性貧血」「喘息」等が挙げられます。したがってまずは内科を受診し、結果により精神科の受診も検討されてはいかがでしょうか。


(2018年6月13日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2018年05月21日

Q「会社の健康診断で「高血圧」で受診するよう指示され・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 会社の健康診断で「高血圧」で受診するよう指示されました。実は数年前から言われているのですが、症状もないので受診していませんでした。血圧の薬はのみだしたら止められないとも聞いたのでのみたくありません。どうすればいいでしょうか。

A) 「高血圧」は「甲状腺機能亢進症」等の他の疾患によっておきる「二次性」と、それ以外の「本態性」にわけられます。一般に「高血圧」の8割以上は「本態性」といわれ、その要因は肥満や塩分摂取過多、喫煙や脂質異常からおきる動脈硬化など様々です。「なぜ血圧が高いか」により治療方針は異なり、「二次性」であれば原因である疾患の治療が第一となり、「本態性」であれば「体重減量」「塩分制限」「運動」「禁煙」「内服治療」と多岐に渡ります。最も重要なのは「動脈硬化」が起きているか否かで、すでに動脈硬化の所見があれば「脳梗塞」や「心筋梗塞」といった合併症のリスクが高いため、より薬をのむことが勧められます。薬を止められるかどうかは状況によって異なり、必ずしも止められないとは限りません。また通常症状はでませんので、無症状であることは受診しなくてよい理由になりません。早めの受診をお勧めいたします。


(2018年5月21日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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