2019年03月12日

Q「毎年春先になるとひどい鼻づまり、鼻水といった花粉症症状に・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 毎年春先になるとひどい鼻づまり、鼻水といった花粉症症状におそわれます。どのようにしていけば、この症状を軽減できるのでしょうか。また、何か良い治療法などありましたら教えてください。

A) 「花粉症」はスギ・ヒノキなどの花粉に対してのアレルギー反応により、くしゃみ・鼻水・鼻づまり等の症状が引き起こされる疾患です。スギ・ヒノキ以外にもカモガヤ・ブタクサなど様々な花粉で引き起こされる可能性があり、その花粉の飛散時期に症状がひどくなるのが特徴です。治療の主体は「抗ヒスタミン剤」や「ロイコトリエン受容体拮抗薬」などの「抗アレルギー剤」の内服ですが、点鼻薬や点眼薬を併用する場合もあります。
春先ですとスギ・ヒノキに対しての花粉症の可能性が高いと考えられますが、一般に花粉の飛散量のピークとなる春先から「抗アレルギー剤」による治療を開始しても十分に症状をコントロールするのは困難です。通常は1月おわり〜2月の花粉の飛散開始時期にあわせて、つまり「症状が出る前から」内服薬を開始する事がピーク時の症状を抑えるのに効果的とされています。ただこのように対応するためには予め自分が何の花粉に対してアレルギー反応があるのか調べておく必要があります。また「抗アレルギー剤」以外の治療法として、舌下免疫療法や鼻粘膜へのレーザー照射等が挙げられますが、いずれも鼻炎症状のひどい時期に開始あるいは実施する事は通常ありません。治療薬の選択を含め一度アレルギー専門医を受診する事をお勧めいたします。


(2019年3月12日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2019年03月06日

Q「健康診断で「胸部レントゲン異常」と「高血圧」を指摘され・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 健康診断で「胸部レントゲン異常」と「高血圧」を指摘されました。タバコを吸うので多少の咳や痰はありますが、他の症状は全くないので自分では健康だと思っています。「要受診」となっていますが、その必要はあるのでしょうか。

A) まず「胸部レントゲン異常」ですが、そもそも肺や気管支には痛みを感じる知覚神経がないので、例えば「肺癌」ができたとしても初期であれば「痛み」を感じることはありません。肺の外側を包んでいる「胸膜」に影響を及ぼすようになれば痛みを感じるようになりますし、癌が大きくなってくれば咳・痰・血痰などの症状が出る場合もありますが、そのような状況ですともうかなり進行した状況ということになります。「肺癌」以外の病気でも「肺結核」や「肺気腫」「肺線維症」などの疾患でも無症状の状況で検診で指摘される場合もあるのです。喫煙者ということは呼吸器疾患の発症リスクであることは間違いありません。
また「高血圧」についてですが、こちらも症状が出ることは特にありません。血圧が高くなっているということは動脈硬化が起きている可能性を示唆し、将来「脳梗塞」や「心筋梗塞」等の発症のリスクがあることになります。これらの疾患は症状が出た時には半身麻痺などの重篤な症状や、生命に関わる状況につながる場合もあり、そのような状況になってから「高血圧」の治療を開始していたのでは遅いのです。また喫煙は動脈硬化を促進する危険因子でもあります。
結論としては内科受診を強くお勧めします。「症状がないから」というのを理由にしていては、健康診断を受けた意味がないですよ。


(2019年3月6日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2019年02月25日

Q「妊娠5ヶ月なのですが、夫がヘビースモーカーで・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 現在妊娠5ヶ月なのですが、夫がヘビースモーカーで禁煙をしてくれません。子供への影響がとても心配です。受動喫煙のことを詳しく教えてください。

A) 今や喫煙が「がん」や「脳血管障害」などの疾病のリスクとなる事は常識ですが、自身が喫煙していなくとも周囲からの「受動喫煙」によっても様々な健康被害が起きる事も知られています。また以前は別の部屋や屋外で喫煙すれば受動喫煙は起きないように考えられていましたが、衣服や髪の毛などにタバコの煙に含まれる有害物質が付着する事から、現在は喫煙者とともに生活するだけで受動喫煙が起き健康被害が起きる可能性があると考えられています。これまでの報告では妊婦が受動喫煙した場合でも胎児にタバコの煙に含まれる有害物質が流入する事が確認されており、その流入量は妊婦が直接喫煙した場合の1/3程度とは言われていますが、子宮内発育不全や低出生体重児の割合が増加するとされています。また受動喫煙は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の危険要因でもあり、家庭内に喫煙者がいると約4倍の危険度となる事も知られています。さらに喫煙者のいる環境で育つ子供は小児喘息の発症リスクが高まることや、受動喫煙が喘息増悪の誘発因子となる事も知られています。このように妊婦さんや小さいお子さんのいる家庭に喫煙者が存在する事によって起きうる健康被害は、とても「喫煙者の自己責任」で片付けられるものではありません。一刻も早く禁煙されることをお勧めいたします。


(2019年2月25日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2018年12月04日

Q「インフルエンザの予防接種について、年齢制限は・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) インフルエンザの予防接種について、年齢制限はありますか?また、いつ頃からいつ頃までに打つべきでしょうか。早すぎても遅すぎても効果がないのかと思い、いつもどの時期に打つべきか迷っているうちに流行が来てしまいます。

A) 年齢に関して言うと生後6カ月以上の方が対象となりますので、ほとんど年齢制限はないと考えていいと思います。ただ1歳未満の場合はワクチンの有効性が乏しいと言う見解もあり、1歳未満の予防接種は行なっていない病院もあります。打つ時期に関してですが、基本的にはインフルエンザの流行シーズンに入る前にワクチンの効果が発現していたほうが良いと考えます。一般にワクチンの効果が出てくるのに接種後2週間は要すると考えられており、流行シーズンが始まるのは年によって差がありますが12月〜1月くらいですので、インフルエンザの発生状況等をチェックしつつ遅くとも12月上旬には接種を済ませておいたほうが良い様に思います。またワクチンの効果が持続する期間は5〜6カ月ですので、インフルエンザシーズンの終息が3月終わりくらいと考えると、インフルエンザの流行入りが早くなりそうであれば、10月中旬くらいの接種なら十分シーズン期間をカバーできると考えます。結論として流行入りが早そうなら10月中旬、遅くなるとしても12月上旬には接種した方が良いということになります。


(2018年12月4日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2018年11月28日

Q「長年喫煙していた父が、慢性閉塞性肺疾患と診断され在宅酸素療法を・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 長年喫煙していた父が、最近タバコを吸うと咳き込み息苦しさを訴えます。医院では慢性閉塞性肺疾患と診断され、在宅酸素療法を始めた方がいいと言われました。在宅酸素療法の管理や気を付けることを教えてください。

A) 慢性閉塞性肺疾患は喫煙を主因とする慢性呼吸器疾患で、「咳」「痰」「息切れ」といった症状が主ですが、通常は病状の進行に伴って肺の重要な働きである「呼吸による酸素と二酸化炭素の交換」ができなくなってくるため、重症となると自宅で酸素を吸入する「在宅酸素療法」が必要とはなります。ただ第一にすべき治療は「禁煙」であり、それに加えて抗コリン剤・β刺激剤などの「気管支拡張剤」による薬物治療や呼吸リハビリテーション等を行っても病状の改善が得られない場合に適応とするべきと考えられます。
喫煙を継続している状況では薬物治療の効果も十分に期待できないわけですが、質問の内容からすると「治療しながら喫煙を継続していた結果、病状が悪化した」という事かと思います。私自身は「禁煙できていない方は在宅酸素療法をするべきではない」と考えています。一つには治療の意義が問われるということもありますが、自宅で酸素ボンベなどを使用する事は「火災」のリスクになるとも考えられており、火の元の管理には細心の注意を払わねばなりません。まずは禁煙すべきであり、治療方針について主治医の先生とよく相談する事をお勧めします。


(2018年11月28日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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