2017年12月06日

Q「先日、定期的に息がうまく出来なくなるくらいの咳が・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 先日、定期的に息がうまく出来なくなるくらいの咳がでるようになり、いろんな病院に行ったけど治らず、最終的に呼吸器内科で処方された喘息の吸入薬を使用して落ち着きました。呼気検査では、喘息ではないとも、そうとも言えないと言われました。あれから症状はないのですが、喘息ではなかったのでしょうか。

A) 喘息かどうかを判断する検査法の一つに「呼気中一酸化窒素(FeNO)測定」があります。気管支においてアレルギーにかかわる「好酸球」という細胞による炎症がおきるとFeNOが上昇することが知られており、FeNOが上昇していると喘息の可能性が高いと判断されます。しかしながら喘息でもFeNOの上昇がみられない方も存在することがわかっています。したがってFeNOが高い場合は「喘息の可能性が高い」と判断できますが、FeNOが低い場合は「喘息でないともそうとも言えない」となってしまいます。通常はFeNO測定以外に呼吸機能検査や呼吸抵抗測定などの検査値や、症状の経過等もふまえ喘息かどうかを判断します。今回の場合、結局吸入薬が処方されたのであれば喘息と判断されたのだと思います。治療すれば8割以上の方が症状はなくなりますが、喘息でないとは言えず治ったわけでもありませんので、喘息治療の継続をお勧めします。


(2017年12月6日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2017年11月06日

Q「以前より喫煙者で、最近咳がでるように・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 以前より喫煙者で、最近咳が出るようになり、しかも長引くので、その間は禁煙して薬を飲んで治りました。治った後にまた喫煙しだすと咳が出て、やめると治るの繰り返しです。咳の原因はタバコなのでしょうか。

A) 喫煙が原因で「咳」を主体とした症状としておきうる疾患の代表的なものとして「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」があげられます。「COPD」は、以前は「肺気腫」とも言われ、長年にわたる喫煙習慣によって起きる肺の構造破壊と気道の炎症にともなって呼吸機能障害をきたす疾患です。ゆっくりと進行するため初期は喫煙時や風邪をひいた時に「咳」「痰」を自覚する程度ですが、進行すると常に咳き込んだり痰がからむようになったり、階段や坂道などで息切れを自覚するようになります。また最近は「気管支喘息」を合併したCOPD「ACO」も注目されており、症状の出方からはその可能性も否定できません。
他にもいくつかの疾患の可能性は考えられますが、そもそも「禁煙して薬を飲んで治った」という認識が誤りのように思われます。繰り返しているという事は症状がおさまっても病気が治ってはいないと考えるのが妥当です。早めに呼吸器専門医を受診する事をお勧めいたします。


(2017年11月6日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2017年09月26日

Q「私も夫もぜんそくもちで・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 私も夫もぜんそくもちで、私は子供の時に治り、現在症状はありません。子供にぜんそくが遺伝するのかと不安で、掃除や空気清浄機などかなり気をつけています。そもそも遺伝するのか、清潔さを保つことが予防になるのか、教えて下さい。

A) 確かに親が喘息だと子供の喘息発症リスクは高くなり、喘息に関与する遺伝子も存在すると言われてはいます。ただ親が喘息だと子供も100%喘息になるわけではありません。喘息の発症には、ダニやハウスダストなどのアレルゲンへの暴露や、犬や猫などのペットの飼育、受動喫煙の有無、気道感染の既往など、さまざまな因子が関与していると言われています。したがって環境整備することも意味はあると思いますが、残念ですがそれだけで100%発症を防げるとは言えないのです。その一方で小児の喘息は適切な治療をすれば6割以上の確率で完治が望めるとされています。早期の診断・治療が重要ですので、もしお子さんに「咳が続く」「夜間に咳がでる」といった症状がみられるようなら、早めの専門医への受診をお勧めします。


(2017年9月26日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2017年08月08日

Q「夫が禁煙もかねて電子タバコを吸い始めました・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 夫が禁煙もかねて電子タバコを吸い始めました。普通のタバコよりは体に害がなさそうですが、実際どうでしょうか。電子タバコで禁煙もできるのでしょうか。

A)たしかに海外では電子タバコは禁煙手段の一つとされています。ただし海外の電子タバコはニコチンをふくむ液体をエアロゾル化して吸引する構造になっているのに対し、日本では通常のタバコではなく専用のカートリッジを使用するものが市販されていますが、いずれも液体ではなくタバコ葉を加熱して吸引する構造となっており海外のものとは異なります。日本で入手できる電子タバコはいわゆる「加熱式タバコ」であり、理論上は有害物質の削減をうたってはいますが長期的な健康被害の可能性については確認されていません。「匂いが少ない」「煙がでない」という点については明らかなものの、構造上有害物質が体内に取り込まれることは間違いないのです。また見た目の煙はでていませんが「目に見えない副流煙」の存在も懸念されており、周囲への健康被害もゼロではないと言われています。いずれにせよ「電子タバコ=禁煙」ではないと認識いただいたほうがよさそうです。


(2017年8月8日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2017年08月07日

Q「風邪をこじらせて、咳だけ3週間ほど治りません・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 風邪をこじらせて、咳だけ3週間ほど治りません。咳ぜんそくかと思い診てもらうと、風邪との診断でした。風邪でも咳がこんなに長引くものでしょうか。どの程度の症状があれば、風邪以外を疑えばいいですか。

A) おっしゃる通り3週間というのは少し長いですね。日本呼吸器学会の「咳嗽に関するガイドライン」でも、3週間以上続く咳の場合は風邪などの急性気道感染症以外の疾患を考慮すべきとされています。一方「咳ぜんそく」は気道過敏性の亢進をともなう気道の慢性炎症によって引き起こされる咳を主症状とする疾患で、「気管支喘息」との違いは呼吸機能検査上気道狭窄が明らかでないということですが、「気管支喘息」と同様に呼気中のNOの上昇や呼吸抵抗の上昇を伴う場合もあります。また通常胸部レントゲンでは異常はみられません。今回受診された際に、「胸部レントゲン」「呼吸機能検査」「呼気NO測定」「呼吸抵抗測定」「気道過敏性試験」等の検査をうけられた上で「咳ぜんそくではない」と診断されたのであれば妥当な判断と考えてよいように思います。ただ正直に申し上げて「風邪」という診断には少し疑問がありますね。症状の持続期間のみでは判断できないところもありますので、一度呼吸器専門医を受診することをお勧めいたします。


(2017年8月7日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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