
A) 日本における結核患者数は年々減少していますが、2010年の新規に発症した結核患者数は23,000人以上といまだ多く、人口10万人あたりの結核罹患率でみるとアメリカ・カナダの約4倍です。また新規の患者の半数以上は70才以上の高齢者であり、高齢化がすすむ日本において一つの問題となる感染症といってよいでしょう。「風邪と勘違い」しそうとのことですが、たしかに症状は「咳」「痰」「発熱」といったものなので、風邪と思ってなかなか受診されず結果的に診断が2ヶ月以上おくれてしまうこともあり、統計的にみても特に若いかたにその傾向が強いようです。2週間以上症状が改善しなかったら病院でレントゲンや痰の検査をうけるべきでしょう。また「続く倦怠感」や「体重の減少」という症状で診断されることもありますので、そのような症状もあれば早めに病院を受診することをおすすめいたします。
(2012年2月15日中日新聞なごや東版朝刊「教えて!ドクター Q&A」掲載)