
A) 「じん肺」はなんらかの粉塵を長期にわたり吸引する機会があるかたに発症する肺の病気で、「珪肺」「石綿肺」「アルミニウム肺」などの総称です。多くは工場など現場作業に携わる方に発症しますので、作業環境にもよりますが「造船業」ですと発症の危険性はあるかもしれませんね。
「じん肺」は徐々に進行する病気ですので発症してもなかなか症状がでてきません。そのため労働者を守る観点から「じん肺法」という法律があり、被用者を粉塵作業に従事させる事業者への定期的な健康診断の実施が義務づけられています。もし診断された場合は「労働災害」の適用となります。
進行してきた場合には「せき」「痰」「息ぎれ」といった症状がでてきますが、残念ながら現代の医学ではなおすことができません。また「肺結核」「肺癌」「胸膜中皮腫」などが健常者よりも発症率が高いことも知られています。まずは健康診断をきちんとうけているかどうか確認されてはいかがでしょうか。
(2012年6月27日中日新聞市民北版朝刊「教えて!ドクター Q&A」掲載)