2012年10月09日

Q「最近足のむくみが気になります・・・」

教えて!ドクター2.jpgQ) 最近足のむくみが気になります。循環器系だけでなく、呼吸器系が原因のむくむ病気もあると聞きましたが、どのようなものがあるのでしょうか。

A) 呼吸器系の疾患ですと通常は「慢性呼吸不全」によるものと考えられます。疾患としてはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)・肺線維症・肺結核後遺症・塵肺など様々ですが、いずれも病状がゆっくりと何年もかけて進行した結果「呼吸不全」の状態となります。「呼吸不全」というのは、何らかの疾患により酸素をとりこんで二酸化炭素をはきだすという肺の働きが低下することをさします。
通常肺でとりこまれた酸素は心臓のポンプ機能によって血液にのって全身に運ばれます。酸素が消費された後にふたたび心臓に戻るわけですが、全身に酸素を送り続けるため血液は全身→心臓→肺→心臓→全身と常に循環しています。呼吸不全になると酸素を血液にとりこむ効率がおちるため、結果的に心臓から肺に送られる血液がうっ滞し、その結果「足のむくみ」になるわけですね。
足のむくみは循環器・呼吸器以外にも腎臓疾患等でもおこります。まずは内科を受診することをおすすめします。


(2012年10月9日中日新聞なごや東版朝刊「教えて!ドクター Q&A」掲載)

posted by けやき内科 at 05:48| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月04日

Q「70歳の母が気管支拡張症と診断され、一日中咳を・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 70歳の母が気管支拡張症と診断され、一日中咳をしています。もともと風邪をひきやすく、歳もあってか大変つらそうです。どのような治療をするのがいいのでしょうか。(西区 40才)

A) 気管支拡張症というのは、何らかの原因によって一部の気管支が拡張性変化をきたす疾患です。先天性に気管支粘膜の異常からおきる場合もありますが、後天性に肺炎や結核、塵肺などの病気からおきる場合もあります。拡張した気管支は元に戻らず病原体の感染をおこしやすくなるため、咳・痰などがながびき血痰や呼吸困難をきたす場合もあります。治療は病状により様々ですが、抗生物質の投与や去痰剤を投与する事もあれば、血痰をくりかえす方には手術をおこなう場合もあります。非結核性抗酸菌症を合併している場合もあり長期間抗菌剤の内服が必要となる事もあります。また完治は困難なため重症になると酸素吸入(在宅酸素療法)が必要になる事もあります。呼吸器専門医を受診して相談することをおすすめします。


(2012年10月4日ショッパー北エリア版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

posted by けやき内科 at 05:23| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする