2013年02月07日

Q「先週風邪をひき市販の薬をのんでいました・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 先週風邪をひき市販の薬をのんでいました。熱はさがりのどの痛みもやわらいだのですが、鼻水がなかなかとまりません。鼻水がのどの奥にたれてきて気持ち悪いです。もともとある花粉症のせいでしょうか?(北区 38才)

A) 花粉症のかたですと風邪をひいた事をきっかけになかなかのどや鼻の粘膜の炎症がおさまらない可能性はあります。ただ「鼻水がのどの奥にたれてくる」という症状は「後鼻漏」といって、「副鼻腔炎」を合併している事も疑われます。「副鼻腔」というのは顔の骨の中にある「空洞」ですが、耳や鼻・のどとつながっているため、どこかで炎症がおきるとその炎症がこの「空洞」に波及してなかに膿がたまったりする事があります。これが「副鼻腔炎」で一般的には「蓄膿(ちくのう)」ともいわれます。「副鼻腔炎」であれば抗生物質の投与も必要となり、花粉症があるかたの場合は治療も長期に必要になる可能性もあります。一度病院を受診することをおすすめいたします。


(2013年2月7日ショッパー北エリア版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2013年02月05日

Q「花粉が飛び始める前に病院に行きたかったのですが・・・」

教えて!ドクター2.jpgQ) 花粉が飛び始める前に病院へ行きたかったのですが行けず、今年も症状が出始めてきてしまいました。症状がでてからの花粉症治療では遅いでしょうか。

A) 「花粉症」は「花粉」によっておきるアレルギー疾患の総称で、通常は「鼻炎」と「結膜炎」による症状が主体です。どの花粉に対してのアレルギーなのかで症状がでる時期は異なりますが約70%は「スギ花粉症」といわれており、スギ花粉は沖縄と北海道を除く日本全体に広い範囲で2月から4月に飛散する(気候などにより多少前後します)ので、症状もだいたいこの時期に一致します。治療については「症状がではじめてから」ではなく「花粉が飛散しだしてから」開始することが推奨されていますが、これは症状のピークを抑えるのに有効といわれるためです。しかしながら症状がでてからでも早期に治療を開始・維持すれば、ひどい症状がでるのを抑える効果は期待できます。一方「我慢できない」くらいひどくなってからでは、なかなかコントロールするのは困難でしょう。早めに「アレルギー専門医」を受診することをおすすめいたします。


(2013年2月5日中日新聞市民北版朝刊「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2013年02月03日

抗菌剤の講演会に参加してまいりました。

2013マクロライド講演会.jpgけやき内科のブログをごらんいただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。

昨日名古屋で開催されました抗菌剤の講演会に参加してまいりました。抗菌剤は感染症の中でも通常は「細菌感染症」に対して用いる治療薬ですが、「マクロライド系」に分類される抗菌剤は菌をおさえるためだけでなく炎症をコントロールしたりするのにも用いられる薬剤です。今回はその「マクロライド系」の抗菌剤に注目し、耳鼻科・小児科・内科、各領域で第一線で診療・研究をされてみえる先生方がご講演されました。
けやき内科にも「発熱」を主症状に来院される患者様がたくさんおみえになりますが、その大半は「感染症」と診断されることが多いです。「感染症」と一言でいっても原因となる病原体は「細菌」よりも「ウイルス」のほうが多いと考えられますが、何故か発熱をともなう感染症には抗菌剤が必要と誤解されていることが多いように思われます。その一方で「マクロライド系」の抗菌剤は炎症のコントロールにも用いる場合もあり、一層患者様の誤解をまねく可能性もあります。今回の講演会に参加して、感染症専門医として日常診療において適切な判断のもとに抗菌剤を使用することがいかに重要であるかということを再認識いたしました。

これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。

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