2013年09月11日

Q「以前に肺気腫、呼吸不全を経験しており、最近では肺炎になって・・・」

教えて!ドクター2.jpgQ) 以前に肺気腫、呼吸不全を経験しており、最近では肺炎になって入院していました。自宅療養中ですが息が苦しくなることがあります。携帯用の酸素ボンベも使っていますが、少しでも楽になるためにできることはありますか。

A)「肺気腫」は主に喫煙によっておきる慢性呼吸器疾患です。機能的に「閉塞性障害」という呼吸障害がおきることから、最近は「慢性閉塞性肺疾患」という病名でよばれています。「慢性閉塞性肺疾患」は現在の医学では完治することができない進行性の難病です。進行により呼吸(酸素と二酸化炭素の交換)ができなくなってきますので、薬物治療だけで補完できない程の酸素不足がおきてきた場合、自宅で酸素吸入をおこなう「在宅酸素療法」が必要となります。
質問の内容からはかなり進行した病状であることが予想されます。薬物治療・在宅酸素療法以外では「呼吸リハビリ」にとりくんでいただくことも重要です。積極的な呼吸リハビリは呼吸困難の軽減につながります。様々なプログラムがありますので、一度担当医に相談されることをおすすめいたします。


(2013年9月11日中日新聞市民北版朝刊「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2013年09月08日

「呼吸器感染症」の研究会に参加してまいりました。

2013東海呼吸器感染症研究会.jpgけやき内科のブログをごらんいただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。

名古屋で開催されました「東海呼吸器感染症研究会」に参加してまいりました。この研究会は愛知・岐阜・三重で「肺炎」「結核」「インフルエンザ」などの「呼吸器感染症」の診療に従事する医療者が参加するもので、年に二回開催され毎回活発な討議が行われます。今回はこの地域での複数の医療機関からの診療データなどの発表ののち、「非結核性抗酸菌症」の診療・研究において第一人者である先生のご講演がおこなわれました。
「非結核性抗酸菌症」は、「結核菌」と同じく「抗酸菌」に分類される菌の感染症ですが、「肺結核」との違いは「肺結核」が人から人に感染する事が問題となることに対し、「非結核性抗酸菌症」は人からではなく土壌・水中などの「環境」から人へ感染するという事です。また日本においては「肺結核」の患者数は年々減少してきていますが、「非結核性抗酸菌症」の患者数は増加の一途をたどっており、早期診断・治療にむけて新たな診断法や新薬の開発などさまざまな取り組みがおこなわれています。
今回「非結核性抗酸菌症」の血清診断を中心に診断・病態についてのご講演を拝聴することができ大変勉強になりました。今回の研究会に参加して得られた新たな知見を、早速これからの診療にいかしていきたいと思います。

これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。

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2013年09月05日

9月は「がん制圧月間」です!

名古屋市がん検診2013.jpg「けやき内科」のブログをごらんいただき、ありがとうございます!

9月は「がん制圧月間」です!みなさんご存じでしたか?
この「がん制圧月間」は「がん予防」に対する意識啓発のために1960年に定められました。さまざまな「がん」の早期発見・早期治療の普及を目的としています。
現在名古屋市では「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「子宮がん」「乳がん」「前立腺がん」の6つの「がん」についての検診事業をおこなっており、「けやき内科」でも「肺がん検診」「大腸がん検診」「前立腺がん検診」の3つがうけられます。この「がん制圧月間」を機会に「がん検診」をうけることをおすすめいたします!
「肺がん検診」では胸部レントゲン撮影をおこない、ヘビースモーカーなど肺がんの危険度が高い一部の方は喀痰検査もおこないます。「大腸がん検診」では便の検査(便潜血反応検査)をおこないますが、採取日のことなる二回分の便をもちいて検査いたします。「前立腺がん検診」では血液検査(PSA測定)により「前立腺がん」の可能性があるかどうか検査します。(いずれも結果説明は後日となります。)
検診結果で異常があった場合、「肺がん検診」については「けやき内科」にてCTや血液検査などによる精密検査をうけていただく事が可能です。(結果により高次医療機関に紹介させていただく場合もあります。)「大腸がん検診」「前立腺がん検診」については二次検診を実施している所定の医療機関に受診していただく手続きをすすめます。
料金はがん検診ひとつにつき「500円」ですが、名古屋市から配布された「無料クーポン券」をお持ちのかたは無料でうけていただくことも可能です。(無料クーポンの対象かどうかは名古屋市のホームページでご確認ください。)

これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします!

posted by けやき内科 at 05:36| お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月01日

「気管支喘息」と「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」のシンポジウムに参加してまいりました。

2013喘息COPDシンポジウム.jpgけやき内科のブログをごらんいただき、ありがとうございます。
院長の加藤景介です。

名古屋で開催されました「気管支喘息」と「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」のシンポジウムに参加してまいりました。この二つの疾患はまったく異なるものですが、治療薬として選択される薬剤はいくつか共通しており、また「気管支喘息」と「COPD」のオーバーラップ(二つの病気を同時にもっている病状)が存在することが最近注目されていることから、同時に議論されることもすくなくありません。
今回のシンポジウムでは前半は東京・名古屋・大阪の三会場をオンラインで中継して、COPD・気管支喘息の診療・研究においてそれぞれの分野で第一人者であられる先生の講演ののち三会場通しての質疑応答がおこなわれました。また後半では東海地域においてCOPD・気管支喘息の診療に携わる専門医を中心に講演・討論が実施されました。
今回のシンポジウムは、第一人者でおられる先生の最新の知見を得られる貴重な機会であったことは勿論ですが、「どんなにすばらしい治療薬・治療法でも、処方する医師および治療をうける患者の正しい理解がなければ成立しない。」ということを痛感いたしました。けやき内科にも「他の病院で治療をうけているがよくならない。」という理由で受診される方がたくさんおみえになりますが、状況を確認すると薬剤の使用法が適切でなかった事が時にみうけられます。特に「内服薬(飲み薬)」よりも「吸入薬(吸って使用する薬)」の方が、不適切な使用がされる傾向があるように感じます。今回のシンポジウムでも薬剤の使用法や病気の知識などを患者様に指導することが非常に重要であるとお話しされた先生がおみえになりましたが、医師が的確な理解に基づいて正しく処方・指導することが大切であると感じました。
今回のシンポジウムに参加して得られたものを早速これからの診療にいかしていきたいと思います。これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします。

posted by けやき内科 at 07:06| 院長より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする