
東京で開催されました「Respiratory Forum(呼吸器フォーラム)」に参加してまいりました。今回のフォーラムでは、呼吸器疾患の中でも特に「気管支喘息」の分野を中心に、日本の治療ガイドライン作成などに携わってみえるご高名な先生方のご講演をおききしました。全国の呼吸器疾患診療を積極的に行っている医療機関の医師が多数参加し非常に活気がありました。
「気管支喘息」は非常に一般的な疾患でありますが、いまだに年間約2,000人ほどの「喘息死」が存在することは一般にあまり知られていません。「かぜ」などの急性疾患と同様にとらえ「症状がよくなったからもう治った」と勘違いされるような方も多いのが現状です。必ずしもそうではありませんが、客観的な指標となるような「呼吸機能検査」「ピークフロー測定」や「呼気NO測定検査」をおこなうと、症状が軽度なのにもかかわらず「気道狭窄」や「気道におけるアレルギー反応」がしっかりみられる場合があるのです。そのような場合、ちょっとしたきっかけで入院が必要なほどの病状悪化がみられる可能性もあると考えられます。
専門医の立場としては、「患者さんの症状」という主観的な指標のみではなく「検査値」という客観的な指標までふくめて総合的に判断して治療計画をたてる必要があります。現在治療の中心となる薬剤は「吸入薬」ですが、多種多様な薬剤からそれぞれの薬剤の特性をきちんと理解して選択することがより適切な治療につながります。今回のフォーラムに参加して新規薬剤の有効性のデータなどを確認することができ、専門医の立場としてよりよい診療にとりくんでいこうとあらためて思いました。
これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。