2015年02月08日

「気管支喘息」のシンポジウムに参加してまいりました。

Asthma Symposium 2015.jpgけやき内科のブログをごらんいただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。

名古屋で開催されました「気管支喘息」のシンポジウムに参加してまいりました。
今回のシンポジウムでは喘息診療の中でも特に「FeNO(呼気中一酸化窒素)」の測定にフォーカスをあて、喘息診療・研究における第一人者の先生のご講演をおききしました。参加者は、この地域でいずれも喘息診療に積極的に取り組んでいる医師ばかりで、講演後のディスカッションも非常に活発におこなわれました。
「気管支喘息」は重症の場合「ヒューヒュー」「ぜいぜい」というような呼吸音、いわゆる「喘鳴(ぜんめい)」をおこすことで知られる疾患ですが、多くの方は「咳」「痰」といった風邪と大差のない症状です。ただ症状が長く続いたり「風邪薬をのんでもよくならない」といったきっかけで受診され診断される事が多いと思います。注意すべき点としては必ずしも症状の程度と病状が相関しないことで、的確な病状判断のためには「呼吸機能検査」「FeNO測定」「気道過敏性試験」「ピークフローモニタリング」など、必要に応じてさまざまな検査による客観的指標が必要となります。つまり「これぐらいの症状ならたいしたことはないだろう」と患者様が思われていても、検査による客観的指標からは重症の病状であると判断される場合もあるのです。結果的に症状からのみの判断で治療薬が処方された場合、「きちんと治療しているのにいつまでたってもよくならない。」ということが起きる可能性があります。また治療開始後に症状が良くなったからという理由だけで薬をへらしたりやめたりすると、しばらくしてまたすぐに症状がでてくる事が多いのも同じ理由によるものです。薬を減らせるかどうかの判断は症状のみでなく検査などによる客観的指標が非常に重要で、いくら症状がよくなっていても検査値が悪ければ薬は減らすべきではないと考えられています。
「FeNO測定」は比較的新しい検査法で名古屋市内でも実施している医療機関はまだ数えるほどしかありません。しかしながら5才くらいの小さいお子さんでも苦痛なく実施できるほど非常に簡便におこなえる一方で、気道におけるアレルギー反応の程度を数字で把握でき病状の適切な判断には非常に有用と考えられます。今回のシンポジウムに参加して、さまざまな新たな知見を得るとともに日常診療のなかで様々に思考していた多くの部分が整理されました。これからも「気管支喘息」のより適切な診療がおこなっていけるよう積極的にとりくんでいきたいと思います。

これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。

posted by けやき内科 at 08:00| 院長より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする