けやき内科のブログをご覧いただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。
東京で開催されました「COPDフォーラム」に参加してまいりました。今回は日本で「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」の診療・研究の分野でご高名な3名の先生方のご講演ののち、スペインで「COPD」のガイドライン作成にも携わってみえる世界的に有名な先生のご講演をお伺いしました。日本全国から多くの呼吸器専門医が参加し、大変活気のある会でした。
「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」は、主に喫煙によって起きるとされている呼吸機能上「閉塞性肺障害」を特徴とする進行性の慢性呼吸器疾患で、「咳」「痰」「息切れ」といった気道症状を特徴としますが初期には無症状であることも多く、日本全国で未だ診断されていない「潜在COPD患者」は500万人以上といわれています。かっては気道の炎症を主体とする「慢性気管支炎型」と肺の構造破壊が主体の「肺気腫型」の二つの型が存在あるいは混在するとされてきましたが、昨今「気管支喘息」との合併と考えられる「ACOS(喘息COPDオーバーラップ症候群)」の概念が提唱されるようになり、一言で「COPD」といっても様々なタイプに分類されるようになりました。一方「COPD」の治療薬として中心となっている吸入薬は、「抗コリン薬」「長時間作動性β刺激薬」「吸入ステロイド薬」の三つにわけられ、それぞれで各種ある上に二種の合剤も何種類か存在するため、呼吸器専門医の立場としては患者様それぞれの病状にみあった適切な治療薬をいかに選択するかということがポイントとなります。
今回の「COPDフォーラム」では診断・分類・病状判断をいかにするかという事と、治療薬選択の考え方あるいは治療効果の判断の仕方など、現在の「COPD」という疾患の捉え方をあらためて整理して把握することができました。
「けやき内科」でも「マルチスライスCT」「呼吸機能検査」「呼気NO測定」等で「COPD」の早期診断や病状判断を実施しています。現在も多くのCOPD患者さまが通院されておりますが、今回のフォーラムに参加してけやき内科での診療方針の妥当性をあらためて再確認することができ、今後も専門医療機関として積極的にとりくんでいきたいと思いました。
これからもけやき内科をよろしくお願い致します。