2017年01月22日

「気管支喘息」の講演会に参加してまいりました。

喘息治療最前線2017.jpgけやき内科のブログをごらんいただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。
名古屋で開催されました気管支喘息の講演会「喘息治療最前線2017」に参加してまいりました。今回の講演会では、一般演題として気管支喘息の専門医としての立場で「咳喘息」について私自身が講演させていただき、特別講演では「気管支喘息」の分野でご高名な大学教授の先生のご講演を拝聴しました。
「咳喘息」は気管支喘息の亜型と捉えられ、気管支喘息同様に気道過敏性の亢進にともなって「咳」を主体とした症状を特徴とするアレルギー疾患ですが、気管支喘息との一番の違いは気道狭窄を伴わないということです。したがってその診断には「呼吸機能検査」「気道過敏性試験」が必要ですが、臨床の現場では検査がおこなわれないまま治療が開始されてしまうこともあり、結果として高度の気道狭窄をともなう重症の気管支喘息が見落とされてしまう場合があります。「咳喘息」「気管支喘息」ともに症状のみでの診断や重症度の判断は不可能であり、「呼吸機能検査」や「呼気NO測定」「ピークフロー測定」など客観的指標を加えて治療計画をたてることが非常に重要なのです。今回の講演会では診療の中で私が感じている疑問なども含め「いかに適切な治療をおこなうか」ということを中心にお話しさせていただきました。特別講演においては気管支喘息のガイドライン等をふまえつつ、過去に行われた気管支喘息患者さんを対象としたアンケート調査のデータから「患者さん自身が思っている病状と、実際の病状の差」などを具体的に提示いただき、大変勉強になりました。私自身も「実際の病状よりも、自分自身の病状を軽くみている患者さんが多い」というのは喘息診療をおこなう中でよく感じていることであり、多くの患者さんに正しい病状が理解いただけるよう専門医の立場としてより工夫していかなければいけないと痛感いたしました。

今後も「気管支喘息」の専門医の立場として、よりよい医療が提供できるよう積極的にとりくんでいきたいと思います。これからもけやき内科をよろしくお願い致します。

posted by けやき内科 at 07:00| 院長より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする