2017年03月14日

Q「4歳の娘の咳がひどく・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 4歳の娘の咳がひどく診てもらうと、気管支炎と診断されました。ぜんそくに移行するのではないかと不安ですが、その可能性と注意することがあれば教えて下さい。

A) 一般に小児の「気管支炎」はウイルスや細菌等の病原体の感染によって引き起こされる炎症による急性疾患をさし、一方「ぜんそく」はハウスダストやダニなどのアレルゲンに対して起きるアレルギー反応を基盤とした気道の慢性炎症による慢性疾患をさします。したがって「気管支炎がぜんそくに移行する」ということはありません。ただし、幼児は成人と異なり喘息かどうかの判断に有用な呼吸機能検査や気道過敏性試験が行えない事もあり、症状・経過や聴診所見のみでは初診時に「気管支炎」か「ぜんそく」かの判断ができない場合もあります。また「ぜんそく」は「気管支炎」等の感染症によってしばしば急性悪化をきたしますので、両方の問題が起きている可能性もあります。したがって初回の診察のみでは判断がつかず、治療効果や臨床経過から「気管支炎のみではなくぜんそくもあった」と後から判断される場合も少なくありません。症状の経過をみながら担当医によく相談される事をお勧めします。


(2017年3月14日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

posted by けやき内科 at 06:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする