Q) インフルエンザが治ってから2週間たちますが、咳だけ治りません。日中はまだいいのですが、明け方と就寝時うとうととしている時がひどく、最近睡眠不足気味です。また別の病気になったのでしょうか?
A) 「インフルエンザ」等の気道感染症の場合、咳の症状が最後まで残ることは珍しくありませんが、二週間は少しながいですね。細菌による二次感染を起こし「気管支炎」や「肺炎」になったために咳が長引いている可能性もありますが、今回は熱や全身倦怠感等の感染症に特徴的な症状がなく咳のみとのことですので、感染症以外の別の疾患も否定はできません。特に「明け方」「就寝時」に症状がひどいというのは「気道過敏性の亢進」を思わせる症状であり、病名としては「気管支喘息」や「咳喘息」の可能性もあると思います。睡眠にともない副交感神経が優位に働く事によって気道過敏性が亢進し、喘息症状は夜間や明け方におきやすくなると言われているのです。またもしこれまでに同様に風邪をひくと咳だけ残るような経験があれば、別の病気になったというよりは「もともとあった喘息がインフルエンザ感染で顕在化した」と考えるべきとも思います。いずれにしても一度呼吸器内科を受診して相談する事をお勧めいたします。
(2017年4月6日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)