Q) 65歳男性です。肺炎球菌の予防接種の案内が自治体より届きました。普段から食事・運動に気をつけているので健康ですし、注射は得意でないので接種しなくてもいいでしょうか。
A) 結論から言うと、接種することをおすすめいたします。厚生労働省の人口動態統計によると肺炎は日本人の死因の第3位であり、肺炎で亡くなられた方のうち65歳以上のかたが90%以上を占めています。肺炎球菌は肺炎の原因となる細菌の代表的なもので、接種費用に対して公的補助を受けることも可能です。肺炎が命にかかわるような重症化となるリスクに、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患や糖尿病が基礎疾患として存在することがあげられますが、年齢も一つのリスクと考えられているのです。人間誰しも歳をとりますし、顔にシワが増えたり髪に白髪が増えたりするのと同様に、内臓の働きも年齢とともに衰えていきます。個人差もありますので一概には言えませんが、特にご病気がなく健康であられても、65歳を一つの目安と考え前向きにご検討いただくのはいかがでしょうか。
(2017年6月26日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)