Q) 風邪をこじらせて、咳だけ3週間ほど治りません。咳ぜんそくかと思い診てもらうと、風邪との診断でした。風邪でも咳がこんなに長引くものでしょうか。どの程度の症状があれば、風邪以外を疑えばいいですか。
A) おっしゃる通り3週間というのは少し長いですね。日本呼吸器学会の「咳嗽に関するガイドライン」でも、3週間以上続く咳の場合は風邪などの急性気道感染症以外の疾患を考慮すべきとされています。一方「咳ぜんそく」は気道過敏性の亢進をともなう気道の慢性炎症によって引き起こされる咳を主症状とする疾患で、「気管支喘息」との違いは呼吸機能検査上気道狭窄が明らかでないということですが、「気管支喘息」と同様に呼気中のNOの上昇や呼吸抵抗の上昇を伴う場合もあります。また通常胸部レントゲンでは異常はみられません。今回受診された際に、「胸部レントゲン」「呼吸機能検査」「呼気NO測定」「呼吸抵抗測定」「気道過敏性試験」等の検査をうけられた上で「咳ぜんそくではない」と診断されたのであれば妥当な判断と考えてよいように思います。ただ正直に申し上げて「風邪」という診断には少し疑問がありますね。症状の持続期間のみでは判断できないところもありますので、一度呼吸器専門医を受診することをお勧めいたします。
(2017年8月7日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)