Q) 夫が禁煙もかねて電子タバコを吸い始めました。普通のタバコよりは体に害がなさそうですが、実際どうでしょうか。電子タバコで禁煙もできるのでしょうか。
A)たしかに海外では電子タバコは禁煙手段の一つとされています。ただし海外の電子タバコはニコチンをふくむ液体をエアロゾル化して吸引する構造になっているのに対し、日本では通常のタバコではなく専用のカートリッジを使用するものが市販されていますが、いずれも液体ではなくタバコ葉を加熱して吸引する構造となっており海外のものとは異なります。日本で入手できる電子タバコはいわゆる「加熱式タバコ」であり、理論上は有害物質の削減をうたってはいますが長期的な健康被害の可能性については確認されていません。「匂いが少ない」「煙がでない」という点については明らかなものの、構造上有害物質が体内に取り込まれることは間違いないのです。また見た目の煙はでていませんが「目に見えない副流煙」の存在も懸念されており、周囲への健康被害もゼロではないと言われています。いずれにせよ「電子タバコ=禁煙」ではないと認識いただいたほうがよさそうです。
(2017年8月8日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)