Q) 以前より喫煙者で、最近咳が出るようになり、しかも長引くので、その間は禁煙して薬を飲んで治りました。治った後にまた喫煙しだすと咳が出て、やめると治るの繰り返しです。咳の原因はタバコなのでしょうか。
A) 喫煙が原因で「咳」を主体とした症状としておきうる疾患の代表的なものとして「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」があげられます。「COPD」は、以前は「肺気腫」とも言われ、長年にわたる喫煙習慣によって起きる肺の構造破壊と気道の炎症にともなって呼吸機能障害をきたす疾患です。ゆっくりと進行するため初期は喫煙時や風邪をひいた時に「咳」「痰」を自覚する程度ですが、進行すると常に咳き込んだり痰がからむようになったり、階段や坂道などで息切れを自覚するようになります。また最近は「気管支喘息」を合併したCOPD「ACO」も注目されており、症状の出方からはその可能性も否定できません。
他にもいくつかの疾患の可能性は考えられますが、そもそも「禁煙して薬を飲んで治った」という認識が誤りのように思われます。繰り返しているという事は症状がおさまっても病気が治ってはいないと考えるのが妥当です。早めに呼吸器専門医を受診する事をお勧めいたします。
(2017年11月6日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)