Q) 30代、会社員です。最近不安になると過呼吸になります。少し息苦しい程度から立っていられなくなりそうになる時もあります。こういった症状も呼吸器内科でも診てもらえるのでしょうか。
A) 人間は生命活動の維持のために「換気(息を吸ったり吐いたりする事)」をおこなって「酸素」を取り込み「二酸化炭素」を排出していますが、「過呼吸」とは本来必要とされている以上の換気活動を行う事をさし、結果として動脈血中の酸素分圧が上昇し二酸化炭素分圧が低下します。二酸化炭素分圧の低下により血液がアルカリ性に傾き、息苦しさの自覚とともに手足のしびれ・動悸・めまい等の症状が出現します。精神的な不安や極度の緊張から過呼吸となってこのような症状がおきる事を「過換気症候群」といいますが、これは精神的問題に起因する場合も多く呼吸器内科より精神科が妥当な場合もあります。
ただ患者様ご自身が「過換気症候群」と思われていても内科的疾患が隠れている場合もあり、注意が必要です。例えば「動悸」や「息苦しさ」の原因となる「甲状腺機能亢進症」「鉄欠乏性貧血」「喘息」等が挙げられます。したがってまずは内科を受診し、結果により精神科の受診も検討されてはいかがでしょうか。
(2018年6月13日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)