2018年07月29日

「名古屋ワクチンフォーラム」に参加してまいりました。

名古屋ワクチンフォーラム2018.jpgけやき内科のブログをごらんいただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。

土曜日の診療後に「名古屋ワクチンフォーラム」に参加してまいりました。今回はワクチンの中でも「成人用肺炎球菌ワクチン」にフォーカスをあて、この分野で第一人者の大学教授のご講演を拝聴いたしました。
肺炎は昨年まで日本人の死因の第3位であり、特に高齢者の肺炎は死亡率が高いことから早期診断・治療はもちろんですが、その予防が重要視されています。肺炎の中でも起因菌となることの多い「肺炎球菌」については、現在65歳以上の方を対象に積極的に予防接種がすすめられています。
現在使用できる成人用肺炎球菌ワクチンは、13価の結合型ワクチン(プレベナー)と23価の多糖体ワクチン(ニューモバックス)があります。ニューバックスの方が古くから認可されている点と、現在公費助成の対象となっている点から一般に認知されていると思われます。一方で効果の持続期間の観点から、現在は日本呼吸器学会と日本感染症学会からステートメントがだされているように、間隔をあけて2種類とも接種することが推奨されています。ただ公費助成がニューモバックス1回についてしか認められていないことと、プレベナーがニューモバックスよりも高価であることがなかなか普及しない一因となっていると言わざるをえません。私の個人的見解としても、すでにリタイアされた高齢者の方に対して、いくら医学的に効果があると言っても1回1万円以上する予防接種を勧めるのは躊躇してしまうのは否定できません。
今回のご講演では医学的見地に立ったワクチンの有効性のデータを示していただきましたが、ご講演された先生の地域ではプレベナーについても公費助成がうけられるよう行政に働きかけてとりくんでみえるとのことで非常に感銘をうけました。本当に有効性の高い予防接種であれば地域を問わず等しく接種の機会が付与されるべきであり、今後のワクチン行政の展開に期待したいと思います。

これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。

posted by けやき内科 at 06:00| 院長より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする