2018年08月29日

Q「80歳の母が最近、食事の際にうまく飲み込めず・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 80歳の母が最近、食事の際にうまく飲み込めず、むせることが増えました。誤嚥で亡くなる話も聞きますのでできるだけ予防したいのですが、なにか方法はありますか。

A) 食べ物をのみこむ動作は、口・舌の動きから顎による咀嚼、そして咽頭・喉頭から食道に食べ物が送りこまれるまで、複数の器官が瞬時に行う反射的協調によって成り立ち、この協調運動には胸や腹の筋肉も関わっています。そしてこの協調運動は加齢とともに衰える事も知られており、結果としてむせる危険性がでてきます。
また誤嚥によっておきる「誤嚥性肺炎」は死に繋がる重篤な病状となる場合もありますが、肺炎自体が完治しても特に高齢者の場合は体力や筋力の回復に時間がかかり誤嚥を繰り返すリスクを高める可能性もあります。脳梗塞など脳血管障害による運動機能障害がある場合はさらにリスクが高まります。
完全に予防するのはなかなか難しいのですが、舌や口を動かす運動や首を動かす運動、発声練習等も誤嚥予防に有効とされています。また誤嚥性肺炎の予防には歯磨きやうがいにより口腔内を清潔に保つ事も重要です。ただあまりむせる回数が多いようであれば医師の診察を受ける事をお勧めいたします。


(2018年8月29日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする