Q) 現在妊娠5ヶ月なのですが、夫がヘビースモーカーで禁煙をしてくれません。子供への影響がとても心配です。受動喫煙のことを詳しく教えてください。
A) 今や喫煙が「がん」や「脳血管障害」などの疾病のリスクとなる事は常識ですが、自身が喫煙していなくとも周囲からの「受動喫煙」によっても様々な健康被害が起きる事も知られています。また以前は別の部屋や屋外で喫煙すれば受動喫煙は起きないように考えられていましたが、衣服や髪の毛などにタバコの煙に含まれる有害物質が付着する事から、現在は喫煙者とともに生活するだけで受動喫煙が起き健康被害が起きる可能性があると考えられています。これまでの報告では妊婦が受動喫煙した場合でも胎児にタバコの煙に含まれる有害物質が流入する事が確認されており、その流入量は妊婦が直接喫煙した場合の1/3程度とは言われていますが、子宮内発育不全や低出生体重児の割合が増加するとされています。また受動喫煙は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の危険要因でもあり、家庭内に喫煙者がいると約4倍の危険度となる事も知られています。さらに喫煙者のいる環境で育つ子供は小児喘息の発症リスクが高まることや、受動喫煙が喘息増悪の誘発因子となる事も知られています。このように妊婦さんや小さいお子さんのいる家庭に喫煙者が存在する事によって起きうる健康被害は、とても「喫煙者の自己責任」で片付けられるものではありません。一刻も早く禁煙されることをお勧めいたします。
(2019年2月25日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
2019年02月25日
2019年02月24日
「愛知県COPDネットワーク(AC.net)」の講演会・総会に参加してまいりました。
けやき内科のブログをご覧いただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。
名古屋で開催されましたNPO法人「愛知県COPDネットワーク(AC.net)」の講演会および総会に参加してまいりました。「AC.net」は愛知県下COPD病診連携の推進と市民への啓蒙の目的でたちあげられたNPO法人で、私も会員・理事として参加しております。
「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」は主に喫煙によっておきる呼吸器疾患で、長く続く「咳」「痰」や、階段や坂道での「息切れ」といった症状を特徴とする慢性疾患です。ゆっくり進行するため自分では意識していないうちに病状が進行してしまう場合もあり、病院で診断された時には既にかなり悪い病状となっていることもあります。また現在厚生労働省がかかげている「21世紀における国民健康づくり運動:健康日本21」においても主要取組疾患の一つとなっており、認知度の向上と早期診断・早期治療がすすめられています。診断のためには肺機能検査やレントゲン・CTといった検査が不可欠ですが、非専門医の診療所等ではなかなか検査が実施できないという現状があり、専門医のいる診療所や病院と連携をして早期に診断して適切な治療導入を推進しようというのも「AC.net」の取り組みの一つです。
今回の講演会では、一般講演としてAC.netに参加している専門医療機関の地域におけるCOPD診療における取り組みを紹介いただいたのち、特別講演として東北地方でCOPDの病診連携に取り組む全国的にも有名な病院の先生の講演を拝聴いたしました。AC.net参加医療機関の講演の中では、特に清須市における特定健診受診者を対象としたCOPD啓発の取り組みに大変感銘を受けましたが、特別講演では東北の石巻地域での診療システムの充実度に大変驚き、まだまだ名古屋診療圏における課題は山積みであることを痛感させられました。私自身が専門医・専門医療機関としてどこまでの役割を当地域で担えるか、今後取り組んでいかなければいかない事は沢山ありますが、前向きにやっていこうと気持ちを新たにすることができました。
これからもけやき内科をよろしくお願いいいたします。
2019年02月20日
今日は「アレルギーの日」です!
「けやき内科」のブログをごらんいただき、ありがとうございます!
今日2月20日は「アレルギーの日」です!
アレルギーが体のなかでおこる際に重要な役割をはたす物質の一つに「IgE抗体」というものがあります。この「IgE抗体」を発見したのは日本人の医学者である石坂公成先生で、石坂先生がこの「IgE抗体」を発見・発表されたのが1966年2月20日なのです。日本アレルギー協会は1995年以降、2月20日を「アレルギーの日」、その前後1週間を「アレルギー週間」とさだめ全国の日本アレルギー協会支部で様々なアレルギーの啓発活動を行っています。
「けやき内科」のある名古屋では、まさにこれからアレルギー疾患の代表的なものである「花粉症」のピークを迎えようとしています!症状がひどくなってからの治療ではピーク時の症状をおさえることは困難といわれていますので、花粉の飛散がはじまっている今から「症状がでないよう」治療を開始するのがおすすめです。「スギ花粉症」と診断されている方は早めに受診されることをおすすめいたします!
これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします!
2019年02月14日
2019年02月11日
花粉症シーズン到来!
「けやき内科」のブログをごらんいただき、ありがとうございます!
そろそろ「けやき内科」のある愛知県でも「スギ花粉」の飛散がはじまったようです。「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」といった特徴的な症状の方が先週後半から受診されるようになってきました。日本気象協会によると、けやき内科のある愛知県は今年のスギ花粉の飛散量は昨年と同等と予想されていますが、昨年が例年より多い飛散量でしたので今シーズンは例年より多い飛散量となりそうです。
「花粉症」は症状がではじめてから治療を開始したのでは効果がでるのに時間がかかり、特にピーク時の症状のコントロールは困難といわれています。一般に予め「花粉症」と診断されているのであれば「花粉の飛散がはじまったら」「症状の出る前に」治療を開始するのがもっともよいとされています。
すでに「スギ花粉症」と診断されている方は早めの治療開始をおすすめいたします!また「気管支喘息」を合併しているかたは、花粉症症状とともに喘息症状の悪化がみられる場合もあるため、特に治療開始することを強くおすすめいたします!
これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします!