Q) 毎年春先になるとひどい鼻づまり、鼻水といった花粉症症状におそわれます。どのようにしていけば、この症状を軽減できるのでしょうか。また、何か良い治療法などありましたら教えてください。
A) 「花粉症」はスギ・ヒノキなどの花粉に対してのアレルギー反応により、くしゃみ・鼻水・鼻づまり等の症状が引き起こされる疾患です。スギ・ヒノキ以外にもカモガヤ・ブタクサなど様々な花粉で引き起こされる可能性があり、その花粉の飛散時期に症状がひどくなるのが特徴です。治療の主体は「抗ヒスタミン剤」や「ロイコトリエン受容体拮抗薬」などの「抗アレルギー剤」の内服ですが、点鼻薬や点眼薬を併用する場合もあります。
春先ですとスギ・ヒノキに対しての花粉症の可能性が高いと考えられますが、一般に花粉の飛散量のピークとなる春先から「抗アレルギー剤」による治療を開始しても十分に症状をコントロールするのは困難です。通常は1月おわり〜2月の花粉の飛散開始時期にあわせて、つまり「症状が出る前から」内服薬を開始する事がピーク時の症状を抑えるのに効果的とされています。ただこのように対応するためには予め自分が何の花粉に対してアレルギー反応があるのか調べておく必要があります。また「抗アレルギー剤」以外の治療法として、舌下免疫療法や鼻粘膜へのレーザー照射等が挙げられますが、いずれも鼻炎症状のひどい時期に開始あるいは実施する事は通常ありません。治療薬の選択を含め一度アレルギー専門医を受診する事をお勧めいたします。
(2019年3月12日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
2019年03月12日
2019年03月10日
「呼吸器専門医」の講演会に参加してまいりました。
けやき内科のブログをご覧いただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。
名古屋で開催されました呼吸器専門医の講演会「Respiratory Expert Meeting」に参加してまいりました。今回の講演会では「実地医家が診る呼吸器疾患」と題して、としわ会診療センターレクリニックの清水先生と私が「重症気管支喘息」の症例報告をさせていただき、公立陶生病院の副院長であられる近藤康博先生から特別講演として「実地医家が知っておくべき特発性肺線維症の話題」と題してご講演いただきました。この地域で呼吸器専門のクリニックで働く医師が参加し、非常に活発な討議が行われました。
日常診療において我々開業医は基本的に一人で診療を行っているため、この様な会で複数の医師でそれぞれの視点から症例を検討することは非常に刺激になりお互いの勉強になります。清水先生と私の症例報告においても、参加した他のクリニックの医師からたくさんの意見が出て非常に有意義な時間を過ごすことができました。
特別講演においては、国際ガイドラインの作成や厚生労働省の仕事にも関わってみえる近藤先生の立場からのお話を拝聴でき、大変勉強になり日常診療に活かせる多くの情報を得ることができました。かつて私も陶生病院で近藤先生にはご指導いただいておりましたが、当時からさらに先にすすんだ立場で活躍されていると実感し、近藤先生の様な牽引力のある先生によって医療とは常に進歩し続けるものであると感慨深く感じました。呼吸器専門医として診療を行っていくからには、自分自信のこれからの努力も必要であることを痛感し身の引き締まる思いでした。
これからも地域における一診療所として努力を怠らず精進していきたいと思います。今後ともけやき内科をよろしくお願いいたします。
2019年03月06日
Q「健康診断で「胸部レントゲン異常」と「高血圧」を指摘され・・・」
Q) 健康診断で「胸部レントゲン異常」と「高血圧」を指摘されました。タバコを吸うので多少の咳や痰はありますが、他の症状は全くないので自分では健康だと思っています。「要受診」となっていますが、その必要はあるのでしょうか。
A) まず「胸部レントゲン異常」ですが、そもそも肺や気管支には痛みを感じる知覚神経がないので、例えば「肺癌」ができたとしても初期であれば「痛み」を感じることはありません。肺の外側を包んでいる「胸膜」に影響を及ぼすようになれば痛みを感じるようになりますし、癌が大きくなってくれば咳・痰・血痰などの症状が出る場合もありますが、そのような状況ですともうかなり進行した状況ということになります。「肺癌」以外の病気でも「肺結核」や「肺気腫」「肺線維症」などの疾患でも無症状の状況で検診で指摘される場合もあるのです。喫煙者ということは呼吸器疾患の発症リスクであることは間違いありません。
また「高血圧」についてですが、こちらも症状が出ることは特にありません。血圧が高くなっているということは動脈硬化が起きている可能性を示唆し、将来「脳梗塞」や「心筋梗塞」等の発症のリスクがあることになります。これらの疾患は症状が出た時には半身麻痺などの重篤な症状や、生命に関わる状況につながる場合もあり、そのような状況になってから「高血圧」の治療を開始していたのでは遅いのです。また喫煙は動脈硬化を促進する危険因子でもあります。
結論としては内科受診を強くお勧めします。「症状がないから」というのを理由にしていては、健康診断を受けた意味がないですよ。
(2019年3月6日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
A) まず「胸部レントゲン異常」ですが、そもそも肺や気管支には痛みを感じる知覚神経がないので、例えば「肺癌」ができたとしても初期であれば「痛み」を感じることはありません。肺の外側を包んでいる「胸膜」に影響を及ぼすようになれば痛みを感じるようになりますし、癌が大きくなってくれば咳・痰・血痰などの症状が出る場合もありますが、そのような状況ですともうかなり進行した状況ということになります。「肺癌」以外の病気でも「肺結核」や「肺気腫」「肺線維症」などの疾患でも無症状の状況で検診で指摘される場合もあるのです。喫煙者ということは呼吸器疾患の発症リスクであることは間違いありません。
また「高血圧」についてですが、こちらも症状が出ることは特にありません。血圧が高くなっているということは動脈硬化が起きている可能性を示唆し、将来「脳梗塞」や「心筋梗塞」等の発症のリスクがあることになります。これらの疾患は症状が出た時には半身麻痺などの重篤な症状や、生命に関わる状況につながる場合もあり、そのような状況になってから「高血圧」の治療を開始していたのでは遅いのです。また喫煙は動脈硬化を促進する危険因子でもあります。
結論としては内科受診を強くお勧めします。「症状がないから」というのを理由にしていては、健康診断を受けた意味がないですよ。
(2019年3月6日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
2019年03月01日
本日から「子ども予防接種週間」です!
けやき内科」のブログをごらんいただき、ありがとうございます!
本日3月1日から7日までの一週間は「子ども予防接種週間」です。みなさん、ご存じでしたか?
来月4月には新年度ということでお子さんの入学・進級などの準備でお忙しいご家庭もあると思います。そんな中、忘れてはいけないのが「予防接種」です。
様々な感染症が存在する中で「VPD (Vaccine Preventable Diseases)」と呼ばれるいくつかの疾患は予防接種で防ぐことが可能です。お子さんの場合、学校という集団生活の場で大流行したり、成人よりも重篤な状況になったりする場合もある事から特に重要視されています。
この時期にお子さんにやっておくべき予防接種を忘れていないか、一度ご確認されることをおすすめいたします!
「けやき内科」でも主に名古屋市からの委託事業として各種予防接種を実施しています。予約制ですのでご希望の方は一度ご連絡ください。これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします!
本日3月1日から7日までの一週間は「子ども予防接種週間」です。みなさん、ご存じでしたか?
来月4月には新年度ということでお子さんの入学・進級などの準備でお忙しいご家庭もあると思います。そんな中、忘れてはいけないのが「予防接種」です。
様々な感染症が存在する中で「VPD (Vaccine Preventable Diseases)」と呼ばれるいくつかの疾患は予防接種で防ぐことが可能です。お子さんの場合、学校という集団生活の場で大流行したり、成人よりも重篤な状況になったりする場合もある事から特に重要視されています。
この時期にお子さんにやっておくべき予防接種を忘れていないか、一度ご確認されることをおすすめいたします!
「けやき内科」でも主に名古屋市からの委託事業として各種予防接種を実施しています。予約制ですのでご希望の方は一度ご連絡ください。これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします!