Q) 毎年春先になるとひどい鼻づまり、鼻水といった花粉症症状におそわれます。どのようにしていけば、この症状を軽減できるのでしょうか。また、何か良い治療法などありましたら教えてください。
A) 「花粉症」はスギ・ヒノキなどの花粉に対してのアレルギー反応により、くしゃみ・鼻水・鼻づまり等の症状が引き起こされる疾患です。スギ・ヒノキ以外にもカモガヤ・ブタクサなど様々な花粉で引き起こされる可能性があり、その花粉の飛散時期に症状がひどくなるのが特徴です。治療の主体は「抗ヒスタミン剤」や「ロイコトリエン受容体拮抗薬」などの「抗アレルギー剤」の内服ですが、点鼻薬や点眼薬を併用する場合もあります。
春先ですとスギ・ヒノキに対しての花粉症の可能性が高いと考えられますが、一般に花粉の飛散量のピークとなる春先から「抗アレルギー剤」による治療を開始しても十分に症状をコントロールするのは困難です。通常は1月おわり〜2月の花粉の飛散開始時期にあわせて、つまり「症状が出る前から」内服薬を開始する事がピーク時の症状を抑えるのに効果的とされています。ただこのように対応するためには予め自分が何の花粉に対してアレルギー反応があるのか調べておく必要があります。また「抗アレルギー剤」以外の治療法として、舌下免疫療法や鼻粘膜へのレーザー照射等が挙げられますが、いずれも鼻炎症状のひどい時期に開始あるいは実施する事は通常ありません。治療薬の選択を含め一度アレルギー専門医を受診する事をお勧めいたします。
(2019年3月12日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)