
A) 厚生労働省の人口動態統計によると肺炎は日本人の死因の第5位となっています。また、肺炎で亡くなられた方のうち65歳以上のかたが9割以上を占めています。肺炎球菌は肺炎の原因となる細菌の代表的なもので、現在接種費用に対して公的補助を受けることも可能です。肺炎が命にかかわるような重症化をするリスクに、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患や糖尿病が基礎疾患として存在することがあげられますが、年齢も一つのリスクと考えられているのです。また肺炎球菌の予防接種をすれば絶対に肺炎にならないとは言えませんが、予防接種を受ける事で仮に肺炎になっても重症化を防ぐ効果があるとも言われています。
「タバコも吸わず健康」というのは素晴らしい事だと思いますが、誰しも年齢を重ねるとともに体力は衰えていくものです。もちろん個人差もありますので一概には言えませんが、特にご病気がなく健康であられても65歳を一つの目安と考え前向きに考えてはいかがでしょうか。
(2019年5月29日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)