2019年06月30日

喘息とCOPDの講演会に参加してまいりました。

Respiratory Symposium in Nagoya 2019.jpgけやき内科のブログをご覧いただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。

名古屋で開催されました「気管支喘息」と「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」の講演会に参加してまいりました。今回の講演会では、気管支喘息やCOPDの治療の中心となる吸入薬の「吸入指導」についての講演と、喘息とCOPDの合併である「ACO (Astma-COPD Overlap)」についての講演を拝聴いたしました。この地域で呼吸器診療に専門的に取り組む病院・診療所の医師が参加し、講演後の質疑も非常に活発に行われました。
喘息やCOPDの領域で使用される「吸入薬」は、近年診療で使用できる薬剤の種類が増え、治療の選択肢が増えることは非常にいい事ではありますが、反面同系列の薬剤でありながら使用方法が異なること等から混乱を招いている部分もあり、専門医としては治療薬の選択において様々な側面から的確に処方薬を決定する必要があり、一方実際に患者様に薬剤をお渡しする調剤薬局としては「いかに薬剤の使用方法や効果等を的確に説明するか」が重要になってきます。新規の処方や薬剤変更をする際などには特に重要となってくるため、けやき内科でも調剤薬局との連携に「吸入指導依頼書」を利用してより確実な吸入指導の実施に取り組んでおります。
一方で以前から気管支喘息とCOPDの違いや類似点については学会で様々な討議がされてきたものの、「ACO」という概念が提唱されてからは考え方が整理されて実際の診療においても治療方針が立てやすくなったように思われます。けやき内科でも診断の基本である「呼吸機能検査」、肺気腫性変化の評価に有用な「マルチスライスCT」、気道のアレルギー反応の評価に有用である「FeNO測定」等を実施することによって、より的確に診断することに取り組んでいますが、現状全ての医療機関において適正に診断が行われているか疑問視されている部分もあり、まだこれから確立されていく必要のある点が残されている領域だと思われます。
今回の講演会に参加して、日常診療の中で考えていることや疑問に思っていることが整理されました。早速今後の診療に活かしていきたいと思います。
これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。


posted by けやき内科 at 05:00| 院長より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする