2019年12月05日

Q「インフルエンザの予防接種をしようと思っていたところに妊娠がわかりました・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 今年もインフルエンザの予防接種をしようと思っていたところに妊娠がわかりました。この場合、予防接種はやめた方がいいでしょうか。ほかに予防接種をやめておいたほうがいい症状はありますか。

A) 「妊娠したら薬は飲まないほうがいい」と考える方は多く、胎児への悪い影響がでないかを心配しての発想と考えます。確かに胎児に良くない影響を及ぼす薬剤が存在することは事実ですが、そのような報告のない薬剤も多く、薬剤使用によるメリット・使用しないことによるデメリットなどよく考えて判断すべきです。
 インフルエンザワクチンに関しては、これまでに流産や先天異常の発生リスクが高くなったという報告は特にありません。一方海外では妊娠中にインフルエンザに罹患すると重症化のリスクが高いという報告もあり、国際的に見て妊婦はインフルエンザ予防接種の優先対象となっています。また妊婦以外にも高齢者や免疫機能の低下する疾患を有している方、呼吸器疾患を有している方などがインフルエンザ予防接種の優先対象とされています。
 インフルエンザ予防接種は、明らかな発熱を認めたり重篤な急性疾患に罹患している場合は避けるべきであると考えられています。またアレルギーがもともとあり、特にインフルエンザ予防接種によりアナフィラキシー反応を起こしたことがある場合は接種すべきではありません。


(2019年12月5日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする