Q) 60代女性です。60歳を過ぎてから風邪をひくと階段や坂道で息切れを感じるようになりました。普段は何ともないので今まで特に病院で相談したことはありませんでしたが、年々ひどくなってきているようにも思います。どうしたらいいでしょうか。
A) 息切れの症状をきたす疾患は様々ですが、一つには心肺機能が低下するような何らかの疾患がある可能性が考えられます。そのような疾患があると、風邪をひいた際に負荷がかかり症状が顕在化するのです。
まずは心臓の働きが低下するような心疾患の可能性があげられますので、心臓弁膜症や心房細動などから慢性心不全となっていないか、循環器科にて精密検査を受けることをお勧めします。もともと高血圧などの心臓に負担がかかるような疾患がある場合には、より疑われます。次に肺の機能が低下するような疾患も考えられますので、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺線維症などから慢性呼吸不全となっていないか、呼吸器内科で精密検査を受けるのもお勧めです。喫煙されていたのであれば、呼吸器疾患の可能性はより高くなります。もちろん心機能・呼吸機能、両方に問題が起きている可能性も否定できませんし、心肺機能の低下をきたす疾患以外にも、貧血を伴うような血液疾患でも同様な症状をきたす場合もあります。何れにせよ普段は何ともなかったとしても、病院で精密検査を受けることをお勧めいたします。
(2020年12月8日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)