Q) 喘息治療中です。治療開始前に比べ症状は改善していますが夜寝ている時に発作が起こることが多く、不安で寝られません。寝ている時に起こるのは何か原因があるのでしょうか。
A) 「夜間の症状」は喘息によくみられる症状の一つで、特に珍しい事象ではありません。日中に比べて夜間に多い理由としては、「夜寝て朝起きる」という人のサーカディアンリズムによって夜間に副交感神経系が優位となることに伴い気道平滑筋の収縮が起きやすくなることや、「寝る」という姿勢により床や布団に蓄積したハウスダスト等のアレルゲンを吸引しやすい状況となることや、夜間・早朝の気温低下や室内空間の乾燥等による気道過敏性の亢進などがあげられます。ただ全ての人に当てはまるわけではなく夜間よりも日中の症状が多い場合もあります。
何れにしても「夜間の症状が残る」というのは、現在の治療効果が不十分であることを示唆しています。現在の治療内容がわかりませんので具体的な対処法を示すのは難しいですが、現在の治療を強化するというのも一つですし、寝室の環境整備(清掃等によるハウスダストなどのアレルゲン回避や、室温や湿度等の空調管理など)も一つかとも思われます。一度通院中の病院で担当の医師とよく相談されることをお勧めいたします。
(2021年1月28日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)