けやき内科のブログをご覧いただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。
昨日開催されました「重症喘息Webセミナー」に参加いたしました。
今回は私自身が「コロナ禍における重症喘息治療戦略」というタイトルで講演させていただきました。
気管支喘息は慢性の気道炎症により引き起こされる「咳」「息苦しさ」「喘鳴」などの症状が起きうる呼吸器疾患ですが、症状のみを基準に受診・治療を行っていくと経年的な呼吸機能の低下や重症化につながるリスクがあります。一般に患者様は症状を目安にして病状を判断しがちですが、喘息の病状評価のため呼吸機能検査・FeNO測定・気道抵抗測定などを実施すると予想以上に強いアレルギー反応が起きていたり顕著な気道狭窄所見が見られたりする場合もあります。結果として症状を基準に治療をすすめた場合、十分な治療効果が得られない場合があるのです。
一方コロナ禍においては喘息の病状評価に必要な検査も十分な感染対策をとって行う必要があるとともに、重症喘息についてはできる限り感染リスクを下げられるように治療管理を行っていく必要があります。喘息増悪時には全身ステロイド投与を要する場合もあるのですが、感染リスクの上昇につながる場合もあることから、増悪を起こさないようにいかに治療管理するかというのが重要となってきます。現在も年間1,000人以上の方が「喘息死」されており、命に関わる状況を回避することが重要なのです。
今回の講演会では私自身が喘息専門医として診療をおこなう中で、どのような観点で治療計画・薬剤選択を行っているかということを中心に講演させていただきました。複数の質問もいただきましたが、Web上ではありますが他医療機関の先生方と情報交換する貴重な機会ともなりました。
今後ともけやき内科をよろしくお願いいたします。