けやき内科のブログをご覧いただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。
昨日開催されました「重症喘息」のWeb セミナー「Sever Asthma Web Seminar」にて「コロナ禍における新たな重症喘息治療戦略」というタイトルで講演させていただきました。
気管支喘息のおよそ5〜10%はしっかり治療してもなかなか症状のコントロールができない「重症喘息」と言われておりますが、「重症喘息」の方は呼吸機能の低下や、全身ステロイドの投与、頻回の外来受診などから、コロナ感染時の重症化リスク因子と考えられています。したがってコロナ感染時のリスクを減らすため、いかにステロイド全身投与を減らすか、あるいは呼吸機能を改善するかということが治療のポイントとなってきます。また喘息は自覚症状のみの判断では病状を過小評価する傾向にあり、適切な検査も行って病状評価していかないと適切な治療が行われず、コロナ感染に伴って急激に病状が悪化する可能性もあります。またその一方で患者様は「なかなか症状がよくならない」「自分は重症ではないか」と思われていても、実は治療が不十分だったり不適切だったりする場合も中にはありますので注意が必要です。
今回のWeb セミナーではけやき内科ではどのような診療を実施しているかということもふまえ、昨年改定されたガイドラインにも添いつつ「重症喘息」の治療データなどを紹介させていただきました。ご聴講いただきました先生方の多少なりともお役に立てましたら幸いです。
また最近けやき内科では「コロナ感染後に咳が続く」ということで受診されて「気管支喘息」と診断される方や、過去に喘息と診断されたことがあり「コロナ感染をきっかけに喘息症状が出てきた」ということで受診される方が非常に増えています。中には「まだコロナが治っていないのでは」「これは『コロナ後遺症』なのか」と不安に感じてみえた方もおみえになります。気管支喘息は適切な治療をすれば80%以上の方はしっかり症状がコントロールできると言われています。ご不安な方は一度受診されることをお勧めいたします。
今後とも「けやき内科」をよろしくお願いいたします。