2022年07月18日

第3回 日本喘息学会総会学術大会に参加してまいりました。

日本喘息学会ポスター2022blog.jpgけやき内科のブログをご覧いただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。

 土日に開催されました「第3回 日本喘息学会総会学術大会」に参加してまいりました。「喘息学会」は第3回ということからもわかりますように、比較的新しく発足された学会です。「気管支喘息」の日本における患者数がおよそ1000万人と推計されているのに対し70〜80%の方は十分なコントロールができていないと考えられており、また非専門的な治療により医学的に十分にコントロールされていない状況であっても症状の軽快が得られてしまうために患者側・医療者側も「良くなった」と錯覚されうるという現状の問題もあり、さらなる「気管支喘息」の病態解明と診断及び治療の進歩を推進する目的で設立されました。
 今回は名古屋での開催でかつ私自身も発表の機会をいただきましたため、久しぶりの現地での学会参加となりました。専門性に特化した学会という事もありシンポジウムやセミナーの内容は大変興味深く勉強になりました。その一方で一般講演では、各地の大学病院や総合病院の呼吸器専門医の先生が発表されている中で、私と同じように診療所の医師の立場で講演されていた先生方もおられ大変励みになりました。私自身は、「新型コロナウイルスワクチン」の接種が気管支喘息の患者様の臨床症状にどのような影響を与えるかを、当院に昨年通院された1,800名以上の診療情報からデータをまとめ発表させていただきました。新型コロウイルスワクチンの副反応として喘息症状の悪化が知られていますが、当院のデータでは「治療が必要であるのに中断している喘息患者」及び「中等症・重症の喘息患者」は副反応として喘息症状がみられやすく、また治療中断していた患者が治療再開したのちにワクチン再接種した際には喘息の悪化がみられていないことから、「ワクチン接種」の観点からも喘息治療の継続性が重要であるということを講演させていただきました。
 今回の学会に参加して得られた知見を活かし、今後とも「気管支喘息」の専門医としてより地域に貢献できるよう励んでいきたいと思います。これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。

posted by けやき内科 at 05:00| 院長より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする