Q) 先月新型コロナウイルス感染症になりました。熱は2日で下がり入院もせず自宅療養で隔離解除にもなったのですが、咳だけが残ってもう一ヶ月くらい続いています。これがコロナの後遺症でしょうか、だとすればいつ良くなるのでしょうか。
A) 新型コロナ感染症後の長引く咳が、本当に後遺症なのかどうかをまず判断する必要があります。コロナに感染して入院対象とならなかった方でも、咳が続くということでレントゲンを撮ると肺炎の痕が残っている場合があります。この場合は後遺症の可能性があり、いつまで症状が残るかについては人によって差がありますので一概には言えません。
一方でもともと診断されていなかった呼吸器疾患があり、コロナ感染を引き金として症状が顕在化し咳が持続している可能性もあります。例えば、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー素因があり風邪をひくと咳が長引くような経験があった方ですと「気管支喘息」の症状として咳が出ている可能性がありますし、長期間喫煙歴があり運動時の息切れを以前から感じていたような方の場合は「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」の症状として咳が持続している可能性もあります。したがって喘息の方には喘息の治療を、COPDの方にはCOPDの治療をすることが、咳の改善につながります。これらの疾患があるかどうかを判断するためには、胸部レントゲン・CTほか、呼吸機能検査やFeNO測定などの検査が有用です。まずは呼吸器専門医を受診することをお勧めいたします。
(2022年7月19日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)