2022年08月10日

Q「夜、ベッドに入って寝始めに咳が止まらなくなり・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 夜、ベッドに入って寝始めに咳が止まらなくなり、なかなか寝られません。喘息なのでしょうか。

A) 確かにご心配されているとおり、喘息の可能性は十分あります。喘息の症状は夜間から明け方に悪化しやすいことが知られており、「夜間の咳」で受診されて精密検査の結果「気管支喘息」と診断されることは珍しくありません。
 しかしながら咳以外の症状を伴っている場合には、疑われる疾患の幅が広がってきます。例えば「胸焼け」を日頃から感じているような方であれば、「逆流性食道炎」の可能性があります。胃液が食道に逆流することに伴って、それが刺激となって咳が出るため、寝た姿勢になることにより逆流しやすい状況になり咳がでるのです。また鼻水が喉の奥にたれこんでくる「後鼻漏」の自覚がある方ですと「副鼻腔炎」の可能性があります。寝た姿勢になることで「後鼻漏」が多くなり咳が出やすくなります。また横になってしばらくしてから咳とともに「息苦しさ」を自覚されるような状況ですと「心不全」の可能性があります。その場合上半身を起こすことで咳が軽くなったり息苦しさが軽減されたりするのも特徴です。もともと高血圧の治療をされている方や、心筋梗塞などの心疾患の既往がある方ですと、より可能性は高くなります。一度内科を受診して精密検査を受けることをお勧めいたします。



(2022年8月10日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする