2022年09月21日

Q「70代の父は10年前まで喫煙していました・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 70代の父は10年前まで喫煙していました。基礎疾患はないのですが、やはり喫煙経験者だと肺の病気や新型コロナウイルスなどかかりやすいのでしょうか。高齢者なので心配です。

A) 60才代まで喫煙されていたということですと、30年以上喫煙歴があるということでしょうか。特に基礎疾患はないとのことですが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)が潜在している可能性はあるかと思います。COPDは自覚症状が乏しいまま進行することも少なくなく、胸部レントゲンでの健康診断では指摘されにくく、胸部CTによる肺気腫の確認や呼吸機能検査による機能障害の有無を確認しないと確実には診断できません。一方で呼吸機能検査は強制呼気を検査手技に必要とするため、コロナ禍となってからは感染リスクの観点から人間ドックでも実施されない事が多くなり、結果としてCOPDの見落としにつながっている可能性もあります。また高齢であることやCOPDの存在は新型コロナ感染におけるリスクと言われていますが、「かかりやすい」というわけではなく「重症化しやすい」とご理解ください。
 いずれにしても感染しないように配慮する事が重要であり、喫煙歴や年齢を考えるとワクチン接種や手洗い・マスク・密の回避などの感染対策を継続することが必要です。万が一発熱などの感染を疑う症状がみられた場合には、早めに指定医療機関にて検査を受けることをお勧めいたします。



(2022年9月21日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする