2022年12月11日
名古屋大学呼吸器内科学講座の教授就任祝賀会に参加いたしました。
けやき内科のブログをご覧いただきありがとうございます。院長の加藤景介です。
本日開催されました名古屋大学医学部呼吸器内科学講座の教授就任祝賀会に参加いたしました。
本年6月に教授として着任されました石井誠先生は、慶応大学の呼吸器内科で研鑽を積まれた先生で、今回の祝賀会ではこれまで石井先生が取り組んでみえた研究実績や今後の名古屋大学呼吸器内科における展望を石井先生ご自身からお話いただき、熱く思いを語られるお姿に大変感銘を受けました。
また私を含めて参加者のほとんどにお声をかけられているお姿を拝見して、呼吸器内科学講座の発展に真摯に取り組もうとしているのを感じました。
私のような一診療所の医師の立場で言うのも烏滸がましいですが、石井教授のご指導のもと今後の名古屋大学呼吸器内科学講座の発展を祈念いたします。
これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。
2022年12月07日
Q「毎年インフルエンザの予防接種を打つべきか迷います・・・」

A) まずインフルエンザの予防接種をする目的が何かを理解する必要があります。「個人」という意味でいうと、インフルエンザの予防接種は決して「感染を防ぐ」ものではありません。「感染しても発症を防ぐ」あるいは「発症しても重症化を防ぐ」という事が期待できる効果です。インフルエンザは若い健康な方が罹患すると比較的症状が軽くすむ場合もありますが、65歳以上の高齢者や心疾患・呼吸器疾患・糖尿病などの基礎疾患を有する方は重症化するリスクが高いと考えられており、予防接種はより推奨されるべき対象と言って良いでしょう。
一方「集団」という意味で考えると「感染拡大を抑える」という効果もあります。インフルエンザは飛沫感染であり、原則「せき」や「くしゃみ」といった症状がある人から別の人に伝播していきます。症状が軽く抑えられれば、それだけ人から人に広がっていくのを阻止できる事になるのです。これは学校や会社などの集団生活を送る上で重要であり、インフルエンザの流行は学校や会社の機能停止につながり社会的経済的損失をうむと考えられるのです。
このようにインフルエンザは「個人」の健康を守り「集団」としての営みを維持する意義があるものとお考えください。その上でご判断いただければと思います。
(2022年12月7日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
2022年12月05日
Web Seminar で「気管支喘息」の治療について講演いたしました。

11月30日に開催されました「GSK Respiratory Seminar in Aichi」にて「気管支喘息」の治療について講演させていただきました。
今回の講演会はこの地域で診療をされている一般開業医を対象としたもので、呼吸器診療を専門におこなっている同じ開業医の立場として「気管支喘息」の治療について講演させていただきました。
気管支喘息は気道の炎症を本態とした慢性呼吸器アレルギー疾患で、症状が出たり出なかったりを繰り返すことから症状がなくなると「治った」と誤解されがちですが、症状を基準に治療をやめたりしてしまうと何度も症状を繰り返し徐々に呼吸機能の低下が起きてくる可能性があります。喘息の治療の目的は「現時点での症状の改善」と「将来起きうるリスクの回避」であり、その場の症状の消失のみでよしとしてしまうと将来起きうる呼吸機能の低下や喘息死のリスクにつながる可能性が’あります。また喘息治療の領域においては昨今治療薬の開発が目覚ましく、一般開業医でも気軽に処方しうる吸入薬の中でも「吸入ステロイド剤」「長時間作用性β刺激剤」「抗コリン剤」を組み合わせた「3剤合剤」は有効性が高く、以前に比べて高い確率で症状の改善が得られるようになりました。しかしながら全ての患者様に同じ処方でとまではいかないため、患者様のそれぞれの病状をさまざまな側面から見極めて、その患者様に最適な治療薬を選択する必要があります。
今回の講演会では私自身の診療経験を含め、現在の喘息治療ガイドラインや臨床研究の結果もふまえつつ講演させていただきました。完全Web講演だったためご聴講いただいた先生方の反応がわかりにくい状況ではありましたがいくつかご質問もいただき、稚拙な講演ではありましたが多少なりとも日常診療の参考になりましたら幸いです。
これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。