Q) 40代女性です。3週間せきが止まらず病院に行ったところ、ぜんそくだといわれました。大人になってからもぜんそくになるのですか?
A) ぜんそくは幼児から高齢者にいたるまで全年齢層にみられる疾患です。これまでの調査からは、小児期にぜんそくを発症した患者のうち成人まで持ち越す可能性は30%程度とされており、逆にいうと小児ぜんそくは60%以上の確率で治癒する可能性があるという事になります。ただ治癒したと考えられた小児ぜんそく患者のうち30%弱が成人になってから再発すると言われています。一方で成人のぜんそく患者のうち、成人になって初めて症状が出現した成人発症のぜんそくは70〜80%と言われており、うち40〜60歳代の発症が60%以上とされています。
「ぜんそくは子どもの病気」「大人でぜんそくの人は子どもの頃からぜんそく」と思ってみえる方が意外に多いですが、実は大人になってからぜんそくになることの方が多いのです。しかも小児のぜんそくと異なり、大人のぜんそくは現在の医療では治すことができないと考えられています。治療の目的も「治す」ことではなく「コントロールする」ことになりますが、適切な治療を受ける事により80%以上の確率で症状のないコントロールされた状態で維持することが可能と考えられています。重要なのは症状がなくなった後も「症状がでないように」治療を継続することと言われていますので、自己判断で中断することなくしっかり通院することをお勧めいたします。
(2023年4月18日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)