
瀬戸旭長久手薬剤師会学術講演会にて「長引く咳の診断と治療」について講演させていただきました。
「咳」の原因としては「風邪」をはじめとする感染症に伴うものが圧倒的に多いのですが、長引けば長引くほど感染症以外の原因を疑うことになります。感染症以外の「長引く咳」の原因としては「気管支喘息・咳喘息」「アトピー咳嗽」「逆流性食道炎」「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」「副鼻腔炎・後鼻漏」など様々ですが、複数の疾患を合併している場合もあり、治療方針の決め手となるのは「いかにきちんと診断されているか」ということになります。一方で正しい診断に基づいて適切な治療が行われているものの、咳が残る「治療抵抗性」の方が存在するのも事実です。「長引く咳」の原因として多くを占める「喘息」についても適切な治療が行われていても咳が残る場合はありますが、喘息の場合「のみ薬」ではなく「吸入薬」が主体であることもあって「きちんと吸えているのか」「薬剤として適切でも使い方は適切なのか」などの薬剤の使用法についても問題が生じていないかを考察する必要があります。またそういった問題をクリアしても症状が残る場合はどうするかということはこれからの課題であるといって良いでしょう。
今回は一臨床医としてガイドラインの内容もふまえて講演させていただきましたが、少しでも薬剤師の先生方のお役に立てましたら幸いです。
これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。