Q) 「クループ」とは何でしょうか?子どもを救急に連れてきたらそう言われました。明日小児科を受診するように言われましたがどうすればいいでしょうか。
A) 「クループ」とはウイルス感染によって引き起こされる喉頭気管気管支炎で、疾患の名前ではなく特定の呼吸器症状の総称(症候群)です。鼻水や熱という一般的な風邪症状ではじまり、犬が吠えるようなオットセイの鳴き声のような咳が出たり、呼吸するときのキューキューという音(吸気性喘鳴)を特徴とします。生後6ヶ月〜3歳の小児に主にみられ、原因となるウイルスとしてパラインフルエンザウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなどがあげられます。
通常の風邪とは異なる症状のため心配される方も多いですが、軽症の場合は自宅で水分をしっかりとって安静にしていただければ、3〜4日で回復が見込めます。ただし呼吸障害を起こしているような重篤な病状の場合、アドレナリン吸入やステロイド投与に加え、酸素投与が必要となる場合もあり入院を勧められることもあります。
今回は救急で「軽症」と診断され一旦帰宅して大丈夫と判断されたのだと思います。ただし救急はあくまで一時的な対応をする役割ですので、経過観察も含め翌日に小児科を受診することが必要です。悪化していれば翌日受診時に入院が必要と判断される可能性もあります。
(2024年3月27日 近郊通し版「教えて!ドクター Q&A」掲載)