Q) 今年はノロウイルスが流行っているようですが、どのようなウイルスの病気でしょうか。
A) ノロウイルスはいわゆる「感染性胃腸炎」の病原体となりうるウイルスのひとつです。感染すると嘔吐・下痢などの症状がおきますが、通常は数日で回復します。ただし小さなお子さんやご高齢のかたは脱水状態となる事もあるので注意が必要です。
以前は「食中毒」の一つとして知られ、「経口感染」が主体と考えられていました。しかし最近は「人から人にうつる」ことが問題視されており、嘔吐物や下痢便にふくまれるウイルスに触れたひとが「接触感染」をおこします。「学校」や「老人ホーム」等の施設では集団感染をおこす危険性もあります。
施設で発症者が発生した場合、嘔吐物や下痢便の処理の際に使い捨て手袋やエプロンを使用すること等の「感染対策」が重要となります。一般家庭では、石けんを使用した「手洗い」だけでも「予防」には有効です。流行期である冬場には、帰宅時や食事の前などにしっかりと手洗いをすることが大事です。
(2011年2月8日中日新聞なごや東版朝刊「教えて!ドクター Q&A」掲載)