けやき内科のブログをごらんいただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。
週末に名古屋で開催されました「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」のセミナーに参加してまいりました。今回のセミナーでは大学病院の呼吸器内科教授のご講演のあと、参加した呼吸器専門医・一般内科医との討議などがおこなわれました。
「COPD」は喫煙によっておこる肺疾患の代表的なものです。進行すると「せき」「たん」「いきぎれ」などの症状がでてきますが、ゆっくり何年もかけて進行することもあってなかなか症状にきづかず、診断されたときにはかなり重症となっている場合もあります。CTを撮影するといわゆる「肺気腫」の所見がみられ、肺機能検査では「閉塞性障害」の所見がみられるのが一般的です。
「COPD」は残念な事に現在の医学では完治することができない病気で、早期診断・早期治療が推奨されています。また診断に「肺機能検査」は不可欠であり、症状が軽微であっても特に中高年の喫煙者のかたは発症の可能性がたかいことから検査の実施が推奨されています。
しかしながら今回のセミナーでの調査結果によると、現在東海地域で肺機能検査が実施されている一般診療所はおよそ30%しかないとのこと。この現状から推察されることとして「COPDであるが検査が実施されていないため診断されていない」というかたがたくさんおみえになるであろうということです。これは東海地域にかぎらず全国的にも同様の状況であるようで、現在日本全国にCOPDでありながら診断されていないかたの数は500万人以上といわれています。こういった方々はいずれ重症な病状となってくることが予想され、患者さんご自身がつらい思いをされることは当然ですが、就労への支障からの社会的損失や医療費増大からの経済的損失にもつながると考えられています。
今回のセミナーに参加して、呼吸器専門医の立場として今後も積極的に早期診断・早期治療にとりくむべきだという気持ちをあらたにしました。
けやき内科では肺機能検査・マルチスライスCTによるCOPDの早期診断に積極的にとりくみ、COPD治療の第一歩でもある「禁煙治療」も保険適用で実施しております。
ご不安のあるかたは是非一度ご来院ください。これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。