
A) 確かに親が喘息でない場合に比べ喘息である場合のほうが子供が喘息を発症する確率は高いといわれ、実際喘息の発症に関与すると考えられる遺伝子もいくつか報告されています。しかしながら親が喘息だと必ず子供が喘息になるわけではありません。喘息の発症にはアレルゲンの暴露や受動喫煙などの様々な環境因子あるいは感染症の既往やストレスなど、複数の誘因が関与するとされています。予防にとりくむという意味では生活環境を整えるというのが一番でしょうか。具体的にはアレルゲンとなりうるハウスダストやダニなどができるかぎり生活空間に少なくなるように工夫したり、屋内ではペットを飼わないようにしたり、受動喫煙がおきないよう家族が禁煙するのもいいですね。こういった工夫で喘息を発症する可能性がゼロになるわけではありませんが、前向きに取り組むことをおすすめいたします。
(2012年10月23日中日新聞市民北版朝刊「教えて!ドクター Q&A」掲載)