けやき内科のブログをごらんいただきありがとうございます。院長の加藤景介です。
週末に名古屋で開催されました「気管支喘息」のシンポジウムに参加してまいりました。このシンポジウムは二日間にわたって開催され、全国で何カ所かをライブ中継しながら講演後に質疑応答もおこなわれるという形式のものでした。
今回のシンポジウムのテーマは「気管支喘息の吸入療法」でした。私が専門医であることもあって、けやき内科にはたくさんの喘息のかたが受診されます。その中には「これまで治療をうけてきたが、なかなかよくならないので専門医をさがしてきた」という方がたくさんおみえになります。そのような方々のお話をおうかがいすると、これまで「吸入薬」の治療をうけたことがない、あるいは使用法が適切でなかったというかたがほとんどです。気管支喘息の治療において「吸入薬」による「吸入療法」はもっとも重要であると私は考えていますが、一般にはなかなか浸透していないのが現実のようです。吸入薬には「コントローラー」とよばれ長期的に喘息の病状を管理し悪化を予防することを主目的にするものと、「レリーバー」とよばれる急に喘息症状が悪化したときの症状を改善することを主目的にするものに分類されます。この二種類の吸入薬の効果と使用法を正しく理解し、適切に使用することが喘息の病状を安定させるのに非常に重要です。正しい吸入療法が浸透しない理由はいくつもあると思いますが、現在処方されうる吸入薬の種類が非常にたくさんあることもそのひとつと考えられます。喘息専門医の役割として患者様一人一人の病状をただしく判断し、たくさんある吸入薬の中から適切なものをうまく選択することも重要と私自身は考えております。今回のシンポジウムでは最近認可がおりた「SMART療法」に注目していかに適切な吸入療法をおこなうかが議論されました。
この時季、気管支喘息は風邪・インフルエンザなどの感染症や花粉症などのアレルギー症状とともに悪化することが知られています。ご不安な方は喘息専門医に相談することをおすすめいたします。
これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。