Q) 75歳の父が健康診断で撮ったレントゲンで「肺に水が溜まっている」と言われましたが、その場で2カ月ほど様子をみましょうと言われました。2カ月も様子をみて大丈夫なのでしょうか。他の病院へ行くべきでしょうか。
A) 健康診断という事は無症状という事でしょうか。それなら肺の外側の臓側胸膜と壁側胸膜の間に「胸水」が貯留している事ではないかと思います。軽度の胸水では無症状であることは珍しくありません。
「胸水」は肺のうっ血や血液中のタンパク質の低下等による「漏出性胸水」と、肺や胸膜でおきた感染症や腫瘍からひきおこされる「炎症」による「滲出性胸水」に分けられます。疾患名で言うと前者には「心不全」「肝硬変」「ネフローゼ」等が、後者には「細菌性胸膜炎」「結核性胸膜炎」「胸膜中皮腫」「肺癌(癌性胸膜炎)」等が含まれます。単に「胸水」といっても非常に様々な疾患の可能性があり、原因が何かによって対処法は全く異なります。実際のレントゲンを見ていませんのでなんとも言えませんが、「2カ月」は少し長いように思います。呼吸器専門医の受診をお勧めします。
(2013年6月11日中日新聞なごや東版朝刊「教えて!ドクター Q&A」掲載)