Q) 市から肺炎球菌ワクチンの案内がきました。肺炎球菌とはどういった病気でしょうか。ワクチンは打つべきですか。
A) 肺炎球菌は名前の通り肺炎の原因となる細菌の一つですが、肺炎以外にも髄膜炎や菌血症などの重篤な感染症(侵襲性肺炎球菌感染症)をひきおこす事でも知られています。肺炎球菌ワクチンは主に成人を対象とした「23価肺炎球菌多糖体ワクチン」と、乳幼児を対象とした「13価肺炎球菌結合型ワクチン」があります。現在肺炎球菌には93種類の血清型があり「○○価」というのは、そのうちの何種類に効果があるかという事を示します。成人用23価ワクチンにより成人の肺炎球菌感染症の80%以上が、乳幼児用13価ワクチンにより乳幼児の侵襲性肺炎球菌感染症の約70%をカバーできるとされています。平成26年11月現在23価ワクチンは65才以上の高齢者の方を対象に、13価ワクチンは2才未満の乳幼児を対象に定期接種とされており、接種費用に対して公的補助を受けることが可能です。ワクチンの性質上100%予防できるわけではなく、副作用がおきる可能性もゼロではありませんが、積極的に接種する事をおすすめいたします。
(2014年11月12日中日新聞市民北版朝刊「教えて!ドクター Q&A」掲載)