Q) 喫煙歴40年の父にタバコをやめてほしいのですが、何を言っても聞かず、辞めません。このまま吸い続けたらどうなりますか?今の喫煙量は1日5本前後です。
A) 喫煙は様々な疾患のリスクを高めますが、多くの方が一番に思い浮かべるのが「肺癌」ではないでしょうか。これまでのデータから、喫煙本数や年数が多いほどリスクが高くなる事がわかっています。禁煙してからの年数が長いほどリスクが低くなる事もわかっています。また「肺癌」以外に喫煙は「動脈硬化」を促進する事も分かっており、特に「高血圧」や「高コレステロール血症」の方は動脈硬化がより進行して「脳梗塞」や「心筋梗塞」等の合併症リスクが高まります。さらに喫煙は「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」の発症リスクにもつながります。「COPD」はタバコによる気道の慢性炎症や気腫化といった構造的変化に伴い、「咳」「痰」「息切れ」といった気道症状が引き起こされ、重篤な場合呼吸不全となります。酸素不足の状況に陥るため「在宅酸素療法」といって酸素吸入が常時欠かせない状況になる場合もあります。このようなリスクを一度お話されてはいかがでしょうか。
(2017年2月7日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)