けやき内科のブログをごらんいただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。
名古屋で開催されました「喘息治療セミナー」に参加してまいりました。今回の会は、この地域で気管支喘息の診療を積極的におこなっている診療所の医師が参加し、清須市の「はなさきクリニック」の加藤栄志先生に喘息診療の最近のトピックスである「呼気NO測定」と「強制オシレーション法による呼吸抵抗測定」をふくめた診断と治療に関する講演をいただいたのち、私自身もパネルディスカッションという形で症例提示を含む講演をさせていただきました。
「喘息」は風邪をひいたり季節のかわりめなどに「咳」「痰」「息苦しさ」などの症状が出現することが多く、実際に症状を契機に病院を受診されるかたがほとんどです。一般に的確な病状判断のもと適切な治療をおこなえば80%以上のかたが症状のない状態にコントロールできるといわれていますが、症状がなくなったあとも「症状がでないように」治療をきちんと継続していくことが重要です。症状がなくなったのみでは、喘息の本態である気道の炎症がまだ十分にコントロールできていない状況である場合がままあるのです。「呼気NO測定」「強制オシレーション法による呼吸抵抗測定」は喘息の診断に有用であることは間違いないですが、治療開始された後の「症状がなくなったあとの病状評価」や「症状以外に客観的におこなえる病状評価」として有用と考えられています。このような検査結果も参考にしながら治療計画をたてることによって、いったんおさまった症状がまたでてこないように適切な治療薬の選択や治療期間の設定が可能となるといっても過言ではありません。
今回は喘息診療を積極的におこなっている医師ばかりが参加していたこともあり、ディスカッションではそれぞれがどう考えて治療計画をたてているか等の議論が活発におこなわれ大変有意義な時間がすごせました。今回のセミナーで得られた知見を早速これからの日常診療に活かしていきたいと思います。
これからもけやき内科をよろしくお願い致します。