
A) 喘息かどうかを判断する検査法の一つに「呼気中一酸化窒素(FeNO)測定」があります。気管支においてアレルギーにかかわる「好酸球」という細胞による炎症がおきるとFeNOが上昇することが知られており、FeNOが上昇していると喘息の可能性が高いと判断されます。しかしながら喘息でもFeNOの上昇がみられない方も存在することがわかっています。したがってFeNOが高い場合は「喘息の可能性が高い」と判断できますが、FeNOが低い場合は「喘息でないともそうとも言えない」となってしまいます。通常はFeNO測定以外に呼吸機能検査や呼吸抵抗測定などの検査値や、症状の経過等もふまえ喘息かどうかを判断します。今回の場合、結局吸入薬が処方されたのであれば喘息と判断されたのだと思います。治療すれば8割以上の方が症状はなくなりますが、喘息でないとは言えず治ったわけでもありませんので、喘息治療の継続をお勧めします。
(2017年12月6日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)