Q) 会社の健康診断で「高血圧」で受診するよう指示されました。実は数年前から言われているのですが、症状もないので受診していませんでした。血圧の薬はのみだしたら止められないとも聞いたのでのみたくありません。どうすればいいでしょうか。
A) 「高血圧」は「甲状腺機能亢進症」等の他の疾患によっておきる「二次性」と、それ以外の「本態性」にわけられます。一般に「高血圧」の8割以上は「本態性」といわれ、その要因は肥満や塩分摂取過多、喫煙や脂質異常からおきる動脈硬化など様々です。「なぜ血圧が高いか」により治療方針は異なり、「二次性」であれば原因である疾患の治療が第一となり、「本態性」であれば「体重減量」「塩分制限」「運動」「禁煙」「内服治療」と多岐に渡ります。最も重要なのは「動脈硬化」が起きているか否かで、すでに動脈硬化の所見があれば「脳梗塞」や「心筋梗塞」といった合併症のリスクが高いため、より薬をのむことが勧められます。薬を止められるかどうかは状況によって異なり、必ずしも止められないとは限りません。また通常症状はでませんので、無症状であることは受診しなくてよい理由になりません。早めの受診をお勧めいたします。
(2018年5月21日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)