2018年09月06日

Q「父が在宅酸素療法が必要と医師に言われ・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) 父が病気療養中なのですが、「在宅酸素療法」が必要と医師に言われたそうです。どのような状態で、どういった治療なのでしょうか。

A) 「在宅酸素療法」は「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」や「肺線維症」「肺結核後遺症」などの慢性呼吸器疾患の病状の進行にともなって、呼吸不全により「低酸素血症」すなわち「酸素不足の状態」になった場合におこなう、自宅で酸素を吸入する治療法です。人間は生きていくのに酸素を必要としており、酸素不足の状況がながく続くと心臓に負担がかかり、他の内臓の働きにも影響がでてきます。従って血液中の酸素濃度が一定の基準をこえて低くなってきた場合に「在宅酸素療法」が必要と判断されます。単に「息苦しい」というだけではこの治療の適応になりません。また「酸素が必要」と言われると「死の間際」と連想される方もおみえになりますが、必ずしもそうではなく「長生きするための治療」とお考えください。自宅に酸素を吸入するためのボンベや酸素濃縮機(空気中の酸素濃度を高めて排出する装置)を設置しますが、通常は薬と同様に健康保険の適応となるため機器使用量の自己負担額を毎月病院に支払うことが必要となります。酸素吸入は24時間常に実施する場合もあれば、動く時のみ使用したり寝ている時のみ使用したりする場合もあり、患者様の病状により医師が判断することになります。


(2018年9月6日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする