Q) 持病に気管支喘息があるのですが、新型コロナウイルスにかかると重症化するのでしょうか。とても不安ですが何か対策はありますか。
A) 「呼吸器疾患があると新型肺炎は重症化する」という報道もされていますのでご不安になられるのはよくわかります。確かにこれまでの報告を見ると「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」や「間質性肺炎」のような慢性呼吸器疾患がある方は重症化のリスクが高いとされています。その一方で「気管支喘息」については、年齢層が小児から高齢者まで非常に幅が広いのと、喫煙されている方は「COPD」の合併もありうるため一概に言えない部分はありますが、明らかな「重症肺炎」のリスクとなるかどうかは現時点ではわからないようです。ただ「気管支喘息」そのものが悪化する可能性は高いと考えられています。そもそも喘息は風邪やインフルエンザなどのウイルス感染で悪化することはよくあり、新型コロナウイルスも同様なのです。したがって新型コロナウイルスによる喘息の増悪を予防するために重要なのは「吸入ステロイド薬を中心とした長期管理薬をきちんと継続する」ということです。「調子が悪い時のみ喘息治療をしている」という場合は、新型コロナウルス感染時の喘息悪化のリスクは高いと言えますので、症状が落ち着いていてもきちんと通院治療を継続する事が一番の対策だと思います。
(2020年4月12日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)